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けあコンweekly

介護ビジネスに参入する前に知っておきたい社会福祉法人の会計基準

日本の社会福祉の発展になくてはならない存在である、社会福祉法人ですが近年では株式会社を代表とする営利団体の福祉分野への参入や、特別養護老人ホーム内での内部留保額が問題になるなど、改めて社会福祉法人という存在を見直す転機が来ているようにも思われます。

社会福祉法人はこれまでどのような役割を果たしてきたのか、今後はどうなっていくのか、見てみることにしましょう。

 

<そもそも社会福祉とは?日本における社会福祉法人の歴史>

日本の社会福祉の歴史は古く、さかのぼると1,500年以上の歴史を持つとも言われます。社会福祉法人制度が創設されたのは昭和20年代のこと。終戦後の混乱の中で引揚者、身体障害者、戦災孤児、失業者などの生活困窮者への早急な対応が求められた時代でした。政府に十分な資源がなく、民間資源の活用が求められた時代。そのような時代背景のもと、公的事業を行う団体として、社会福祉法人は設立されたのです。

その後昭和30年代から40年代にかけて、高度経済成長を背景に社会福祉制度の充実も進みました。社会福祉制度の専門分化が進み、生活保護法や児童福祉法、身体障害者福祉法など、いわゆる福祉六法が出揃ったのもこの時代です。昭和50年代以降になると高齢化や核家族化などが大きな社会問題として取り上げられるようになってきました。高齢者福祉分野でいえば、「高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)」が打ち出されたのが1989年になります。

近年におけるもっとも重大な変化は介護保険法の成立でしょう。これによって従来の措置制度による制限的なサービスから、保健制度による普遍的なサービスへと大きな転換が遂げられました。利用者がサービスを自分の意思で選択する契約制度がとられたことによって、介護サービスの種類や内容の多様化が進み、また経営主体も従来の社会福祉法人だけでなく、営利法人の活躍が目立つようになってきました。現在はこの流れの途上にあるといえるでしょう。

 

<介護業界における社会福祉法人の在り方>

このような背景を持つ社会福祉法人ですが、現在の介護業界ではどのような存在となっているのでしょうか?一番はこれまでと同様に、非営利法人として、市場原理では必ずしも満たされないニーズについて取り組むことを求められています。

例えば過疎地域での福祉事業。一般の営利組織では手を出しにくい、こうした地域への福祉サービスの提供こそ、社会福祉法人に求められている大切な役割だといえるでしょう。営利事業のサービスからこぼれ落ちた人々を救うセーフティネットとして機能すること。とりわけ営利法人の活躍が目立つ昨今、この役割は社会福祉法人の社会的責務と言えるでしょう。

とはいえ、現実には多くの課題が指摘されています。制度創設当初から措置を受託する法人としての色彩が強く、行政の規制を強く受けていたため、現在でも非営利法人として制度や市場原理では満たされないニーズに取り組むよりも、行政指導に適合することに重きを置いた事業運営がなされていること。利用者本位のサービスを歌いながらも、そこに十分対応できていないこと。財務状況の不透明さや内部留保の増大など、制度や補助金、税制優遇によって守れた高い利益を地域に還元していない点など、その課題は多岐に渡ります。

今後ますます社会福祉サービスの担い手が営利企業へと移っていくなかで、社会福祉法人の役割が改めて問われていることは間違いないでしょう。

 

<公共性が高いビジネス特有の会計基準とは>

では最後に、社会福祉法人特有の会計基準について述べておきましょう。

社会福祉法人の会計基準は非常に複雑で、会計事務所に委託されていることがほとんどです。ここでは会計を構成する財務諸表および、社会福祉法人における会計基準の特徴について、簡単に紹介します。

財務諸表は「資金収支計算書」、「事業活動収支計算書」、「貸借対照表」の3つから構成されます。資金収支計算書とは、毎会計年度の支払資金の収支内容を明らかにしたもの。一般的な会計基準では、損益計算が導入され、事業活動収支計算書が重視されますが、収益よりも公益を重視する社会福祉法人においては、損益計算書よりもこちらのほうが経営状況を理解しやすいともいわれています。

事業活動収支計算書の目的は、事業活動の成果を明らかにすることです。一年間の事業活動の結果、どの程度の損益が発生したかを示したのがこの計算書になります。貸借対照表は法人の会計年度末におけるすべての資産、負債および純資産の状態を明確にするために作成が必要とされるものです。

社会福祉法人の会計基準にはもう一つ大きな特徴があります。それは、「拠点区分」という考え方。平成24年4月から27年3月までにすべての社会福祉法人で新会計基準への移行が義務付けられました。その際に導入された考え方で、他には事業区分、サービス区分という分け方も存在します。これは施設や事業所を一つの単位として考え、この単位ごとに財務処理を行う方法で、法人全体としての計算書だけでなく、これら各拠点区分、事業区分ごとの財務諸表が求められます。

 

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