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実地指導対策

開業後には行政の実地指導が行なわれます どのような対応が必要かを事前に把握しておきましょう
実地指導対策

実地指導とは

実地指導は、介護事業所におけるサービスの質の向上を目的に行なわれます。そのため、指定を受けている介護事業者には定期的に行政から実地指導が入ります。実地指導の際、必要な書類を揃えられない、やるべきことをやっていない、記録を残していない、といった不備があると、指摘され改善を求められます。最悪の場合、指定取り消しにつながることもあります。また、指定取り消しにつながらなかった場合でも、保険給付の返還を求められる場合もあります。

指導と監査の違い(指導)

「指導」は、介護サービス事業者の育成を目的に行なわれ、「集団指導」と「実地指導」があります。「監査」は、指定基準違反の疑いがあり、「実地検査」の必要がある場合に行なわれます。

■指導

指導とは

  • 集団指導
    集団指導は、制度改正や介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬請求の内容などについて、介護事業者に周知徹底させることを目的に実施されます。通常、介護事業者を一ヶ所に集めて講習方式で行なわれます。
  • 実地指導
    実地指導は、行政の職員が介護事業所へ出向いて行なわれ、事業所に保管されている関係書類をもとに行なわれます。実地指導は「運営指導」と「報酬請求指導」に分かれます。
  • 運営指導
    サービスの質の向上と確保を目的に、高齢者虐待防止などの観点から運営上の指導を行ないます。ケアプランに基づいたサービスが提供されているかをヒアリングと書類記録の確認を行ないます。
  • 報酬請求指導
    不正な請求の防止を目的に、請求の不適正な取扱いについて是正を指導します。報酬基準などに基づいて必要な体制が確保されているか、ケアプランに基づいたサービス提供がされているか、など届け出た内容に基づいた運営が適切に実施されているかをヒアリングと書類記録の確認を行ないます。

指導と監査の違い(監査)

■監査

監査とは

「監査」の結果、改善報告、改善勧告、改善命令、指定の効力の停止、指定取り消しなどの行政処分が行なわれます。

指定取り消しは増加傾向にあります!

指定取り消しは、改善命令などの措置を取っても是正されず、引き続き指定を行なうことを制度上認めることができない場合に行なわれます。違反事業者の数は増加傾向にあり、2011年度に指定取り消し処分や効力停止処分となった介護施設・事業所は過去最多の166件だったと厚生労働省が発表しております。そのうち、指定取り消しは80件となります。介護サービスの種類別に見ると、訪問介護が23件と最も多く、介護予防訪問介護13件、通所介護10件と続いております。指定取り消しの理由は以下のとおりです。

指定取り消し理由(複数回答) 件数
介護給付請求に関して不正 44件
不正の手段で指定を受けた 29件
帳簿書類の提出に従わない、または虚偽の報告 29件
人員について、基準を満たせなくなった 25件
質問に対し虚偽、または検査を妨げた 22件

また、2000年~2011年度の12年間で指定取り消し処分や効力停止処分となった介護施設・事業所は合計で1,169件の上ります。指定取り消しが最も多かった法人種別は営利法人で全体の約80%(737件)を占めております。

指定取り消しの実例

  1. 指定時から管理者や責任者が未配置だった
  2. アセスメント、モニタリングが未実施だった
  3. 利用者に説明を行なわず、同意も得ていなかった
  4. 虚偽の出勤簿、給与明細を報告した
  5. 他の事業所の人を常勤専従で勤めていると偽った
  6. 名簿を借りて、不正に指定を受けた。

やるべきことをやっていれば、いきなり指定取り消しになることはありません。 実施指導の準備だけではなく、日頃からサービスの質の向上を考えた準備もしましょう!

実地指導の流れ

時期 内容
1ヶ月~2週間前 (1)行政より施設・事業所への通知(指導日時の通知が電話または書面にて行なわれます。)事前提出書類を作成し、行政へ提出
当日9時~17時頃 (2)実地指導
【運営指導】
【報酬請求指導
【講評】
 実地指導の結果について
1週間~2週間後 (3)指導結果の整理・復命
(4)指導結果の通知
(5)施設・事業所からの報告書の提出・審査

※ 実地指導の流れは都道府県により異なります。詳しくは各都道府県の担当課へお問合せください。

実地指導で確認する書類

主な確認書類

■事前提出または当日提出する書類

  • 自己点検シート
  • 運営規程
  • 重要事項説明書、事業所パンフレットなど
  • 従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表
  • 平面図

■当日提示する書類

  • 勤務体制及び介護報酬の請求状況を確認する書類(従業員の出勤簿やタイムカードなど,従業員の資格証,緊急時・事故発生時・苦情対応等のマニュアル,苦情処理・事故発生時における対応状況のわかる資料,研修の実施状況がわかる資料,介護給付費請求書,介護給付費明細書(国保連請求控え),請求書又は領収書の控え)
  • サービスの提供を確認する書類(サービス計画書,サービス提供の記録)

※都道府県により確認書類は異なり、上記以外にも確認書類は多数ございます。詳しくは各都道府県のホームページでご確認いただくか、担当課へお問合せください。

日頃からの備え

自己点検シートを活用して、コンプライアンス(法令遵守)を定期的にチェックしましょう!

■日頃から行なっておくこと

○ケアプランがプラン通りに行なわれているかのチェック ○緊急連絡簿の作成 ○車両の点検リストの作成 ○各委員会の議事録作成(衛生管理委員会、事故防止委員会、感染委員会など) ○マニュアルの整備(緊急時等の対応、感染症対策、災害防災対策など)など

■実際に実地指導を受けた事業所の声

○分からないことがあって当たり前 ○教えていただくスタンス ○挑発的、高圧的とみられる様な言動、行動は絶対にダメ ○衛生面については、相当細かく見られる

けあコンシェルからのご提案

実地指導は従業員の人間力向上の絶好の機会です。実地指導を機に他との差別化を図り、魅力的で介護力が高い人材の育成を行なっていきましょう。実地指導対策をお考えの方、日頃からのコンプライアンス対応について、お悩みの方には、コンサルタント(行政書士)をご紹介します。けあコンシェル会員様は、コンサルタント(行政書士)への初回相談料が無料になります!

是非、けあコンシェルまでお問合せください!

※2013年6月時点の情報となりますので、ご留意ください。

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