介護事業経営支援サイト「けあコンシェル」
けあコンweekly記事

介護の現場におけるロボット活用、それに伴う介護報酬改定とは

2017-12-18
介護の現場におけるロボット活用、それに伴う介護報酬改定とは

介護の現場において、介助者の負担を軽減できることが期待されている介護ロボットが注目を集めています。介護業界では、これまで介助者の負担と介助者が現場に不足しているといった問題が懸念されていました。それを受けて、経済産業省と厚生労働省による「ロボット技術の介護利用における重点分野」が2012年に発表され、介護ロボットの実用化に向けてさまざまな取り組みが開始されました。今回は、介護ロボットが実際に現場でどのような役割を持つのか、ロボット活用に伴う介護報酬改定について説明していきます。

介護の現場におけるロボット活用の場面とは?

介護ロボットにはさまざまな種類があり用途や目的は多岐にわたります。移乗介助機器(装着型)は介助者が実際に装着し腰の負担を軽減することが目的です。ベッドや車いすなど移乗の際に使用し、着脱は1人で行うことができます。移乗介助機器(日装着型)は、ベッドと車いすの間に使用する移乗用で、抱え上げ動作などで介助者にかかる負担を軽減するパワーアシストを行ってくれます。移動支援機器(屋外型)は、モーターなどで移動をアシストする手押し車型となっており、介護者の歩行を支援する介護ロボットです。同じように介護者をサポートしてくれる移動支援機器(屋内型)はトイレ往復の移動やトイレ中の姿勢保持を支援します。移動支援機器は、屋外型・屋内型ともに介護者の外出や荷物の運搬等を安全に行うことを目的とした支援機器になります。歩行補助機能で安全を確保し、移動や立ち座りをサポートするのが目的です。排せつ支援機器は排せつを予測して介護者をトイレへ誘導し、さらにトイレ内で下衣着脱などを支援します。入浴支援機器は、浴槽の出入りといった入浴介護における一連の動作のサポートが役割です。見守り支援機器(介護施設型)はセンサーや外部通信機能を備え、複数の介護者の見守りを行います。昼夜問わず使用でき、介護者がベッドから離床したのを検知し通報する機能などが備わっているのが特徴です。介護ロボットとは、介護者の自立を促したり介助者の身体的負担を軽減したりするサポートがメインの機器といえるでしょう。

どう変わる?ロボット活用に伴う介護報酬改定とは

自立支援のための在宅サービスや施設サービス基本報酬の引き下げなど介護業界ではこれまで数回にわたり介護報酬改定が行われてきました。介護報酬の引き下げは介護の現場において事業所の倒産など深刻な影響を及ぼします。引き下げに反発する声も多く、処遇改善加算の待遇向上策によって2015年度の改定や2017年度の臨時改定で賃金アップを見込んだ報酬加算が行われました。さらに2018年の介護報酬改定では介護ロボットにおける介護報酬加算が検討されています。これは介護ロボットを導入し活用している事業所に対しては、介護報酬や人員、設備等の見直しを図るというものです。これまでの介護保険制度では利用者の数に有資格者や介護従事者の数が定められていて、定められた人数を配置していなければ介護報酬を受け取ることはできません。介護ロボットを活用して介助者の業務を軽減することに成功したとしても、報酬を受け取るには人材削減は不可能です。つまり介護ロボット導入を想定した介護報酬システムが現段階では確立されていないということです。これを受けて検討されているのが介護ロボットにおける介護報酬加算ですが、2017年に行われた介護給付分科会では介護ロボットの導入が時期尚早ではないかという意見も出ています。介護ロボットは運用や管理など新たな業務も発生するためすべての介護ロボットが人員削減につながらないのではという部分が争点となっています。介護報酬改定がどのように動くのかこれからも注目していく必要があるでしょう。

ロボット活用に伴い経営方針は変わりうるのか?

介護ロボットのメリットだけに注目してしまうとロボット活用はうまくいかないかもしれません。実際、介護ロボットを導入しようと考えている事業者は少ない傾向です。もっとも多い理由として、介護ロボットの価格が高いことがあげられます。介護ロボット導入にかかる費用はロボット本体の費用だけではありません。介助者の研修費用や運用費用などもかさみます。介護現場において介護ロボットの活用の仕方がわからないといった事業者側の不安もあげられるでしょう。ロボット活用では導入費用の負担を軽減しつつ、介助者の人材育成をはじめとする経営力強化が鍵となります。経営陣と介助者が協力し合い、ロボット活用の基盤をつくることが大切です。そのためには、介護ロボットを単なるサポート役として考えるのではなく、介護事業に大きく活かすことを目的とする経営方針に変えていく必要があります。介護ロボットを上手に活用することができれば人材の育成もスムーズに行えますし、業務プロセスが向上して顧客満足度のアップにもつながるでしょう。ロボット活用における経営サポートとして、経営力を強化するためのセミナーなどが行われています。介護ロボット1機器に対し10万円の補助をする介護ロボット導入支援事業や介護ロボットの体験、研修などを行う福祉用具・介護ロボット実用化支援事業も発足しています。あらゆる支援事業を活用しながらロボット活用における経営基盤を整えていくことが重要といえるでしょう。

けあコンシェルでは会員登録いただきますと『実践CaseStudy』や『介護Report』などの介護業界の旬な情報をご覧いただけます。
けあコンシェル会員登録をされた方は、必ず弊社サービスをお受けいただくということではございませんので、お気軽にご登録ください。

新規会員登録をする
他にもこんな記事があります

総務省はこのほど、2017年10月分の「サービス産業動向調査(速報)」を公表した。

社会保障審議会・介護給付費分科会は1月17日、加藤勝信厚生労働大臣から諮問を受けた2018年度介護報酬改定に伴う運営基準などの改正案を了承。

厚生労働省がこのほど公表した「社会福祉施設等の耐震化状況調査」の結果によると、2016年3月31日時点の社会福祉施設等の耐震化率は89.6%で、前回2014年調査より1.7ポイント上昇したことがわかった。

厚生労働省は17日、訪問介護サービスのうち洗濯や料理などの家事をする「生活援助」について、高齢者が頻繁に利用する場合、市町村が状況を確認する仕組みを設ける方針を固めた。

シルバーサービス振興会はこのほど、介護プロフェッショナルキャリア段位制度の新規レベル認定者を発表した。

介護開業のノウハウ集をダウンロード
ガソリン給油カード、入会金年会費無料

ページトップへ戻る