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介護経営のブランディング

2015/08/24
介護経営のブランディング

ブランディングとは、事業所に対する共感や信頼など、顧客にとっての価値を高めていくためのマーケティング戦略のことです。介護業界では、人から人へサービスを提供していきます。そのため、とくに重要な意味を持ってくるのが「信用」です。また、法令や制度を守りながら、事業所独自の特色を打ち出すことも必要となります。同業他社との競争が厳しくなる中、戦略的なブランディングは欠かせません。今回は、介護事業におけるブランディングのポイントについて、具体的に解説していきます。

介護事業所のサービスに特色を出そう

サービスに特色を持たせることで、利用者の満足度を充実させ、信頼を強化していきましょう。介護事業にとって、利用者からの信頼はとくに重要です。安心してサービスを受けてもらうだけでなく、利用者や介護を担当する家族の人生の一部を支えて「生活の質(QOL)」を向上させるという目的を忘れず、理念の柱にすると良いでしょう。

経営方針に確固たる理念があればあるほど、利用者からの共感や信頼が高まります。また、スタッフのやる気を引き出すことができ、より良い人材の獲得にもつながるでしょう。介護事業には、「人材を獲得し、育成しながら業務をおこなっていく」という側面があります。

介護事業所が特色を持つためのポイント

その1:サービスに特色を持たせる

目標は「○○のサービスなら、この介護事業所」と言われる存在になることです。

ちょっとした工夫で、利用者のニーズに応えながら、気の利く印象を与えられるサービスを提供していきましょう。他にはない特色を持つことが差別化となり、利用者に選ばれやすくなります。

サービス内容にオリジナリティがあれば、利用者に限らず、意識の高い介護スタッフの目にとまり、より良い人材が採用できる可能性も高くなります。質の高い人材ほど、経験から自分なりの「介護観」を持っているため、彼らの共感を得られるような特色を考えることも大切です。その他、事業所の雰囲気がおしゃれで、ユニフォームに清潔感があるなどといった、見た目からアピールする形も効果的でしょう。

その2:人材の特色を打ち出す

介護事業は、基本的に対人援助サービスです。介護スタッフが利用者に対して、直接サービスを提供する場面も多く、スタッフの対応が事業所全体の評価に直接結びつきます。対応が良ければ利用者の満足度がアップし、サービスへの信頼も高まるでしょう。しかし、対応が悪ければあっという間に信頼を失うおそれがあります。

事業者の経営理念がスタッフに浸透していなければ、同じ方向性を目指すことはできません。理念と現場の意欲が矛盾しているような状況では、離職率が上がってしまったり、事業所の戦略にもぶれが生じてきます。事業所の進むべき方向性をスタッフに周知し、安心して働いてもらえる環境を整えることも重要です。

介護ビジネスにも独自の戦略を!

介護サービスのニーズは、地域によって変わってきます。ショートステイなど施設のニーズが高い地域もあれば、機能訓練やリハビリのニーズが高い地域もあります。あらかじめ開業する地域が決まっている場合は、その地域の情報を詳しく集め、どこにニーズがあるのか把握しましょう。

提供するサービスが事業所の理念や方向性に合うかどうかも、検討を重ねる必要があります。他の事業所がすでに展開しているサービスを、成功しているという理由だけで真似をして提供するのは避けるべきです。理念を支えるストーリーや理由づけが弱い場合、利用者やスタッフの共感を得るのは難しく、やがて同業他社に淘汰されるでしょう。

介護事業の戦略やブランディングを、理念に基づきしっかりと固めることが重要です。「事業所の存在理由」と「何を目的としているか?」という2点を、常に明確にしておく必要があります。その上で、将来の到達点を事業所のビジョンとしてイメージするのです。成功できる事業には、必ずはっきりした「理念とビジョン」があり、それを実現させるための具体的な戦略が生まれます。

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