介護事業経営支援サイト「けあコンシェル」
けあコンweekly記事

保険外サービスとは?介護事業所で取り扱う際の注意点

2017-05-15
保険外サービスとは?介護事業所で取り扱う際の注意点

高齢化が急速に進む日本においては、介護の在り方も多様化しています。そのため、国や自治体はひとりで生活を送ることが困難な高齢者を対象に、税金の投入によるさまざまなサービスを提供しています。これが一般的に介護保険サービスと呼ばれるものです。しかし、介護保険サービスだけでは高齢者の幅広いニーズに対応しきれていないといえるでしょう。そこで、注目が集まっているのが「介護保険外サービス」です。ここでは、保険外サービスの特徴と事業所で扱う際の注意点を紹介していきます。

介護サービスの現状

保険内で受けることができる介護サービスは大きく以下の3種類に分類されます。一つ目は、訪問介護などの自宅で受けるサービスです。訪問介護では、入浴・食事の補助といった身体的サポートや買い物・掃除といった生活支援を実施します。ただし、保険内で受けられるサービス内容については要介護のレベルによっても異なります。

二つ目は、デイサービスなどの通所で受けるサービスです。デイサービスの特徴は、高齢者の心的サポートにつながる点にあります。特にひとり暮らしの高齢者は孤独を感じやすいため、ゆううつな気持ちにおちいってしまいがちです。そのため、高齢者が気軽に足を運べる場所を提供することで、豊かな生活を送るための手助けをする施設となっています。

そして、三つ目は老人ホームなどの施設に入居して受けるサービスです。施設の種類は高齢者専用マンションから特別養護老人ホームなど多岐に渡ります。また、入居条件やサービス内容は施設によって大きく異なりますが、中でも人気が高いのが特別養護老人ホームです。特別養護老人ホームは空きがあるケースが少なく、しかも入居するために数年を要するケースがかなり多いといえます。

高齢者はこの3種類の中から自分にあったスタイルを選択し、介護サービスを受けることになります。しかし、介護保険内で認められているものは最低限となっているため、それ以外の補助を依頼する場合は保険外でサービスを受けることになります。

保険外サービス介護ってどんなもの?

保険外サービスに明確な定義はありません。その理由は介護で必要と見なされるサービスが、要介護のレベルや自治体の方針によって異なるからです。したがって、ここでは保険外サービスの1例を紹介しますが、すべての場合に当てはまるわけではないという点だけは注意しましょう。

まず、保険外サービスに共通している点は「それを行わなくても生活に支障がない」ということです。たとえば、日用品を買うために近くのスーパーへ買い物に行ってもらうことは保険サービス内でできます。しかし、お気に入りのお茶菓子を買うために、離れた場所にある百貨店まで行ってもらうことはできません。これは生活に必要なものではなく、生活を豊かにするための嗜好品だと見なされます。また、嗜好品を買うために税金が財源となっている介護保険を適用することはできないので、保険外サービスを利用することになります。そのほかにも、映画鑑賞や美術館を見学するための外出などは、生活支援ではなく趣味嗜好に分類されるため、介護保険内で実施することは不可能です。

そして、同様の理由で庭の手入れなども保険外サービスとなります。家の中の掃除は、人として最低限の生活を送るためには必要ですが、庭の状態は生活に大きな影響はないとされます。

さらに、保険が適応されないサービスをケアマネージャーや介護士に依頼することはできません。そのため、保険外サービスを提供している介護事業所を見つけて、そこに依頼をすることになります。ただ、そういった施設の数はまだ不十分といえるでしょう。

介護保険外サービスを取り巻く課題

日本では高齢者が増加しているため、介護保険外サービスのニーズは確実に高まっています。しかし、介護保険外サービスを取り扱っている介護事業所は決して多いとはいえないでしょう。その理由は、介護保険外サービスの導入にいくつもの課題があるからです。その中でも大きな課題のひとつが「定義の難しさ」です。利用者によって求めているサービスが異なるため、それらをすべて把握し、提供することは非常に難しくなっています。また、保険適用のルールについても自治体によって違いがあるため、一概に定義することが不可能なのです。そして、利用者には、保険が適用されないサービスは割高な印象を受けます。

さらに、どれくらいの高齢者が通常より高い料金を払って、サービスを利用してくれるのか予想が立てづらいため、介護事務所もサービスの提供に及び腰となっています。したがって、この状況がさらなる悪循環を生み出しているのです。しかも、介護保険外サービスを取り入れている事業所が少ないため、活用事例もまだ不十分なので事業としての展望を描くことが困難となっています。

保険外サービスをはじめる上での注意点は、ほかにもあります。それは介護業界における慢性的な人手不足です。介護業界はやりがいの大きな職場ですが、肉体的にも精神的にも負担のある仕事です。そのため、保険内のサービスだけでも手いっぱいな状況なので、より新しいサービスに参入するのは現場の負担の増加につながる可能性があります。このような課題をひとつひとつ解決していくことが、介護保険外サービスを浸透させていくためには欠かせないといえるでしょう。

リコーリースの介護報酬・障がい福祉ファクタリングは、“負債”扱いにならずに“早期”資金調達ができる介護事業、障がい・福祉事業者向けの金融サービスです。最短5営業日で資金化も可能。サービスの詳細は下記バナーをクリックください。

介護報酬・障がい福祉ファクタリングを見る

けあコンシェルでは会員登録いただきますと『実践CaseStudy』や『介護Report』などの介護業界の旬な情報をご覧いただけます。
けあコンシェル会員登録をされた方は、必ず弊社サービスをお受けいただくということではございませんので、お気軽にご登録ください。

新規会員登録をする
他にもこんな記事があります

厚生労働省は9月29日、市町村が運営する介護保険の「介護予防・日常生活支援総合事業」(総合事業)の基本的な考え方や具体的な方策を議論してきた検討会の会合で、地域住民を含めた多様な主体の参入促進を盛り込んだ中間骨子案を示した。骨子案では、地域全体がチームとなって展開することで、医療・介護の専門職が専門性を発揮しつつ、高齢者の状況に応じた必要な関わりを続けることが可能になるとした。

施設長は、介護職員にとっての終着点ではありません。つまり、これまでご説明したような施設管理ができて、地域に向けた営業活動さえできていればよい、ということではないということです。そこはあくまでも通過点であり、次のステップとして目指すべき先を見据えていくくらいでなければ、施設長としての成長は止まってしまいます。

日本認知症グループホーム協会は、27日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会のヒアリングで、認知症ケアの評価の充実や入居者の重度化に対応した手当の検討などを要望した。

2024年度の介護報酬改定に先立ち行われた関連団体へのヒアリングで、訪問介護員(ホームヘルパー)などで構成する団体が、看取りを行う際に職員も大きな精神的負担を感じているとして、訪問介護においても看取りケアへの加算を創設するよう要望した。日本ホームヘルパー協会と全国ホームヘルパー協議会が、27日に開かれた社会保障審議会・介護給付費分科会で求めた。

「介護職の人材紹介を利用したいけど手数料がわからない」などと悩んでいませんか。高額になるケースがあるため、利用前に詳細を把握しておきたい方は多いでしょう。ここでは、人材紹介の現状、人材紹介を利用するメリット・デメリットに加え、手数料の相場、適正な料金で人材紹介を利用するポイントを解説しています。以下の情報を参考にすれば、サービスを有効活用しやすくなるはずです。

けあコンシェルには、こんなサービスがあります
>>その他サービスを見る

早期資金化!介護報酬ファクタリングサービスで解決!現行の介護保険制度では、国民健康保険団体連合会(国保連)から介護報酬を受け取るまでに約2ヶ月かかり、その間に発生する人件費など資金が必要になります。リコーリースの「介護報酬ファクタリングサービス」を利用すれば、通常より1.5ヶ月も早く資金化することができます。

ご利用者様の預金口座から利用料金を口座振替いたします。弊社の口座振替ネットワークを利用して、電気料金などの公共料金と同じように、ご利用者様の預金口座から利用料を口座振替するシステムです。振替日は4日、20日、27日をご用意しております。

車両リースは、資金の効率的な活用を実現し、メンテナンスなど煩雑な管理業務もアウトソーシングできるため多くの企業に採用されています。一般的に車両リースを大別すると、ファイナンスリースとメンテナンスリースに分類することが出来ます。

商圏分析サービスとは、これからデイサービスの開業をお考えの方、既にデイサービスを開業しており増店をお考えの方へ出店したい地域の情報を提供させていただくサービスです。簡易版では、出店したい地域の商圏内における3種類のレポートを「けあコンシェル」会員様限定で無料にて提供いたします。

利厚生の充実は、優秀な人材確保の切り札です。アウトソーシングサービスを活用することで、豊富で充実したメニューを従業員やそのご家族の皆様へ提供でき、満足度を向上することができます。

ページトップへ戻る