日本では、慢性的な人手不足に悩む業界も少なくありません。こうした人手不足を解消するため、外国人の人材の導入を検討する企業も増えています。そして、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いた時期に、外国人の人材を受け入れたいと考えている介護事業者も多いでしょう。そこで、アフターコロナにおける外国人の人材活用のポイントについて解説します。

アフターコロナの外国人の人材導入

1.コロナ禍における外国人の人材

世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、日本では入国制限が設けられました。その結果、各業界で予定していた外国人の人材が来日することができず、人員計画に支障が出てしまった業種も多いとされています。特に、介護業界は、慢性的な人員不足に悩むケースも多く、外国人の人材に期待を寄せる事業所も多く見られました。そのため、この入国制限による打撃は、大きなものになっているのです。

また、介護施設は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、対策業務に人手が割かれています。通常の業務だけでも人手が足りないなか、追い打ちをかけられるような形になり、ますます人材配置が難しい状況に陥っているのが現状です。なかには、経営が厳しくなっている介護事業所もあります。こうした人手不足が続くなか、介護業界にとって希望の光となるのが「外国人の人材の導入」です。介護現場にとって外国人の人材は重要であり、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いたころに、採用を視野に入れている事業所も増えています。

そのため、人材の獲得競争は、ますます激しさを増すことが予想されるため、前もってしっかりと受け入れの準備を整えておくことが重要になります。新型コロナウイルスの感染拡大によって、人材獲得の動きが鈍くなっているときこそ、受け入れの土台を固めておくチャンスです。いざ動きが生じたときに出遅れないよう、しっかりとアフターコロナの外国人の人材導入や活用について、事業所内で話し合いを進めておきましょう。

2.介護現場にとって外国人の人材は重要

日本は少子高齢化が進んでいるとされ、各業界で深刻な人手不足が嘆かれています。それは介護現場も同様、介護を必要とする高齢者は年々増える一方ですが、その介護を担う若者・労働力は減少傾向にあるのです。今後も人手不足は続き、深刻化されることが予想されています。そこで、人手不足を解消するための施策として、国が推奨しているものの１つが「外国人の雇用」です。日本では、外国人の採用の制度を積極的に整えており、人材不足を解消するための鍵になると考えられているのです。実際、介護現場で活躍する外国人人材は年々増加傾向にあります。まさに外国人の人材は、日本の労働力不足に欠かせない存在になりつつあるのです。

外国人の人材は、意欲が高い傾向にあり、介護施設の中核的な存在、現場のリーダーとして活躍しているケースも見られます。また、外国人の人材を介護施設で採用した結果、職場内の雰囲気が明るくなった、介護サービスを見直すきっかけを得られた、という意見もあります。外国人の人材に日本の介護業務を教えることは、国際貢献にもつながる重要な取り組みになるでしょう。ただ、人手不足に悩む介護事業所の数は多いからこそ、優秀な外国人の人材は、今後取り合いが激化する可能性もあります。優秀な外国人の人材を獲得するためには、できる限り早めに動いておく必要があるでしょう。

3.外国人の人材導入の前に必ず知っておきたい基礎知識

外国人人材を導入するにあたっては、「制度の種類」と「在留資格」などを確認しておく必要があります。外国人人材に関する制度は、「留学」「EPA」「技能実習」「特定技能」の4つの種類に分けられます。それぞれ入国の目的や働く環境、条件などが違うため、確認を行いましょう。万が一、不法就労の外国人を雇用してしまった場合、雇用主側にも責任が生じ、処罰される可能性があります。正しい知識を身につけた上で、在留資格などをしっかりと確認することが大切です。

4.外国人の人材に活躍してもらうポイントと注意点

厚生労働省の「外国人介護人材の受入れ実態等に関する調査研究事業」において作成された、三菱UFJリサーチ＆コンサルティング株式会社のガイドブックによると、外国人の人材に活躍してもらうためには「職場での定着支援」「生活基盤を整える支援」「地域社会になじむ支援」の3つが必要だとしています。例えば、職場での定着支援としては、外国人の人材を採用する目的を事業所内で共有する、日本の文化や生活習慣など基本的なルールを積極的に教えるなどの工夫が重要になるのです。

また、生活基盤を支える支援としては、安心して業務を行うために、住まいの提供や契約などのサポート、体調およびメンタル面の定期的な確認などが必要となります。加えて、地域社会になじむ支援としては、事業所の周辺地域との関係づくりや、外国人の人材の家族に対する支援が必要だと伝えています。介護施設の利用者が不安にならないように、日本語やサービスをきちんと身につけてもらいつつ、外国人の人材自身が安心して日本で生活・就労できるように、全面的なサポートを行うことが求められるでしょう。

アフターコロナは外国人の人材に活躍してもらおう

外国人の人材は、優秀で高い意欲を持っているケースも多く見られます。正しい知識を身につけた外国人の人材を雇用し、アフターコロナの人手不足を解消しましょう。すでに人手不足が深刻化しており、採用活動や経営に関する資金繰りが厳しい状況にある場合は、「介護報酬ファクタリングサービス」の利用という選択肢もあります。運用資金などに悩みがある場合は、相談してみてはいかがでしょうか。