
事業計画は介護事業を経営するにあたって欠かせないもの

事業計画はどのような事業をする場合にも欠かせないものといえるでしょう。会社がどのような目標に向けて発展していくかを示したものであり、事業計画を用意しておくことで、融資や周囲の協力を得ることが容易になります。限られた経営資源を無駄なく、有効に利用するためにも、戦略的な事業計画を立てたいもの。ここでは、介護事業における効果的な事業計画の立て方について、紹介します。
介護業界における事業計画の必要性
一般的には、事業計画を策定することで、将来のビジョンを明確にして、外部の協力を得ることが容易になる効果があります。さらに具体的な会社の姿を思い描く契機にもなり、計画のどの部分が曖昧で弱いかを、明確にすることにもなります。また、計画は結果と突き合わせて何度でも練り直すことで、失敗の原因を特定し、次に繋げることができるのです。
介護業界においても、事業計画の重要性は変わりません。むしろ、一般的な事業以上に必要とされているといえるでしょう。理由として、介護サービスは種類によって人員規準、設備規準、運営規準が定められており、規準をクリアできなければ、事業として認可されない点が挙げられます。また公共性が高く、地域との密着度の高い仕事でもあるため、信頼性が大きく物をいう業界でもあります。そのためにも、綿密な事業計画が欠かせないのです。
どのように情報を集め、分析するか
情報収集・分析をするに当たっては、介護業界のどのサービス分野に参入するかも重要な要素です。基本的に競合相手となるのは、同じサービス分野の事業所です。施設と訪問、通所サービスでは、それぞれが競合していることは少なく、介護支援事業所を通じて協力関係にあることも少なくありません。むしろそうしたサービスが充実したところで不足しているサービスこそが、参入にうってつけの分野だといえます。どの地域にどれだけの介護事業所があるかは、ネットで調べるだけでもわかりますから、参入予定のサービスが、その地域で必要とされているかを見極めると良いでしょう。
また、地域性を知ることも大切です。介護予防や健康寿命の延長が謳われている現在、介護保険未満のサービスとして様々なサービスが公的に提供されています。そうした福祉事業に熱心な地域では、要介護度の低い人のニーズを、公共の無料サービスが満たしているケースもあります。分の悪い戦いを強いられないためにも、事前の調査は欠かせないところです。これらの情報については、各市町村役所のホームページを確認することももちろんですが、実際にその地域に足を運んで、体感することも大切でしょう。ネット上では見ることのできない、意外なものが参入の障壁になっていることもあります。
収支計画はいかに立てるか
事業計画で一番頭を悩ませる部分ともいえる収支計画ですが、まずは利用人数を予測することから始めましょう。次に、利用者の平均要介護度をどの程度に設定するか、事業における介護保険内サービスの占める割合がどれくらいかを算定することになります。
介護事業の特殊な点として、収益の大部分が介護報酬によるもののため、上限が設定されていることが挙げられます。そのため、客単価を上げて、収益の向上を図るといった、普通の企業では一般的な方法を取ることが難しくなっています。利益を上げるためには、利用者数を増やすか、介護保険外サービスの割合を増やすか、あるいは支出を減らすかのいずれかの方法を取ることになるでしょう。介護報酬でいえば、報酬を請求してから入金まで約2ヶ月かかることも覚えておきましょう。そのため、事業が軌道に乗るまでは資金繰りが厳しくなることが予想されます。始めのうちは十分な余裕を持つことが大切です。
もう一点、介護事業の特異な点として、人件費率の高さが挙げられます。平均的な施設サービスで60%、通所サービスで70%、訪問サービスに至っては90%以上が人件費となっています。人員規準を満たしつつ、上手く人件費を調節することが、安定した運営に欠かせない要素といえるでしょう。
人材をいかに確保するか
介護事業において、人の確保は最も重要な問題といえます。人も人材も足りないのが介護業界の現状です。どの事業所でも優秀な人材を求めていますから、優れた人材確保のための計画はあらかじめ練っておく必要があるでしょう。そのためには明確な経営理念が必要となります。介護業界には「人のために働く」「誰かの役に立ちたい」といった純粋な気持ち、高い志を持って入ってきた人が多くいます。そうした人を惹きつける理念と明確なビジョン、それにそれを実現するための行程の開示。以上が人材を集めるために最低限必要とされる要素といえるでしょう。
これまで見てきたように、介護事業を行うにあたっては、他の業界とは異なる事情が様々あります。事前の調査をしっかりと行った上で、綿密な事業計画を立てることが大切になります。またたとえ計画通りにいかず失敗したとしても、諦めない気持ちと目標へ向けて邁進する意気込みこそが、介護に一番必要とされている人材を惹きつける要素になるのです。
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