
第9期介護保険事業計画について解説

3年を1期として作成される「介護保険事業計画」。第9期は2024年度からスタートします。介護関連事業者としては、ぜひとも押さえておきたい内容でしょう。そこで、本記事では、第9期介護保険事業計画の概要を説明します。あわせて、2つの重要な論点、介護職員の処遇改善を目的とした3つの加算についても詳しく解説していきます。
第9期介護保険事業計画
1.第9期介護保険事業計画とは?
2000年に介護保険制度が始まって以降、3年を1期として支援計画作成されています。この介護保険事業計画・介護保険事業支援計画に従い、第9期もサービス体制の整備・保険料の設定が実施されることになるのです。第9期のスタートは2024年度からです。第9期は2022年末までに制度改正の議論がとりまとめられ、2023年の通常国会に介護保険法等の改正案として提出されます。改正法が成立したら、市町村や都道府県が2023年度に第9期計画を作ることになります。
2.第9期介護保険事業計画における2つの重要論点
第9期介護保険事業計画には重要論点が2つあります。それぞれについて、解説します。
2-1.少子高齢化が進む中での介護人材確保
第9期介護保険事業計画の需要論点の1つとして「今後、日本の少子高齢化が進む中、いかに介護人材を確保するか」という点が挙げられます。というのも、2025年以降、介護を必要とする高齢者が急激に増加する一方、介護保険料を負担する現役世代の人口が急激に減少するからです。このような傾向は2040年まで続く見込みです。2040年以降は高齢者の増加は鈍くなりますが、現役世代の人口の減少が止まることはありません。
介護の需要(サービス利用者、受益者)が増え、介護の供給(サービス提供者、費用負担者)が減ることから、ベースアップなどの介護職員の処遇を改善して、人材確保・定着をはかる必要があります。加えて、介護報酬を見直し、高齢者に満足してもらえるような高品質なサービスを行うことで、介護職員に仕事へのやりがいを持ってもらうことも大切です。そうすることで、介護所職員の確保・定着につながるでしょう。
2-2.介護保険制度の持続可能性確保
第9期介護保険事業計画のもう1つの需要論点として、「いかに介護保険制度の持続可能性を確保するか」という点が挙げられます。介護を必要とする高齢者が急激に増加するにもかかわらず、逆に介護職員が急激に減少する中、これまでと同等またはそれ以上の介護サービスを提供するには、どのようにすればよいのかが議論されてきました。そのためには、介護職員の処遇改善はもちろんのこと、例えば、介護ロボットやICTの活用を促進するなど、人手不足の問題をどう解決していくのかを考えていく必要があります。人手不足解決の1つとして、介護職員として外国人労働者を受け入れるための環境を整える方法もあるでしょう。
人手不足を解消するためには、介護という仕事の魅力とともに、生産性もアップさせていくことも大切です。そのためには一人ひとりの仕事による負担を減らすことで、離職率を下げていくことです。このほか、財源を安定させるために、給付費を減らして、介護を必要とする高齢者の負担割合を引き上げることも議論されました。
3.介護職員の処遇改善を目的とした3つの加算
第9期介護保険事業計画では、介護職員の処遇を改善するために新たな加算が創設されます。そこで、次から新加算を含めた3つの加算について、詳しく解説します。
3-1.介護職員処遇改善加算
介護職員処遇改善加算の対象は、介職員職のみです。申請するためには、賃金改善以外の職場環境等要件を満たしていなくてはなりません。キャリアパス要件は「(1)任用要件と賃金体系が整えられていること」(2)研修の実施または機会が設けられていること」「(3)昇給の仕組みがあること」です。どのキャリアパス要件を満たしているかによって、申請できる加算区分が異なります。「(1)(2)(3)を満たしていれば加算(Ⅰ)で介護職員1人当たり月額3万7000円相当」「(1)(2)を満たしていれば加算(Ⅱ)で介護職員1人当たり月額2万7000円相当」「(1)または(2)のいずれか1つを満たしていれば加算(Ⅲ)で介護職員1人当たり月額1万5000円相当」です。
3-2.介護職員等特別処遇改善加算
介護職員等特別処遇改善加算の対象は、「経験・技能のある介護職員(法人での勤続年数が10年以上、またはそれと同等の経験や技能を有すると認められた介護福祉士)」「その他の介護職員」「その他の職種の職員」の3つのグループに分けられます。配分については、ルールに従って事業所が行いましょう。加算率は、介護福祉士の配置割合によって2段階あります。申請には、次の(1)(2)(3)の要件をすべて満たさなくてはなりません。それは「(1)介護職員処遇改善加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のうち、いずれか1つを取得していること」「(2)職場環境要件に関する複数の取り組みを行っていること」「(3)ホームページにアップするなど、取り組みの見える化を行っていること」です。
4.介護職員等ベースアップ等支援加算(新加算)
新加算の介護職員等ベースアップ等支援加算の対象は介護職員です。配分は事業所がルールに従って行いますが、「その他の職員」の処遇改善のための収入アップに充てることも可能です。要件は介護職員処遇改善加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のどれかいずれか1つを取得したうえで、加算額の3分の2を介護職員等のベースアップなどに使用することです。この場合のベースアップとは、基本給または毎月の決まった手当の引き上げのことです。
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