
介護保険より多様で質の高い保険外サービスとは?

当たり前のことが当たり前にできなくなったとき、介護の問題が現実となってあらわれます。それは決して喜ばしいことではありませんが、かといって悲観することでもありません。介護保険を上手に利用することによって、高齢になってもこれまでの暮らしを継続することが可能になりました。そして今保険外サービスの発展と普及によって、それ以上のサービスが提供され、より自分らしい生活の実現が図られようとしています。保険外サービスの魅力に迫ってみました。
そもそも保険外サービスってどんなもの?
ホームヘルプサービスやデイサービス、それに施設に入所するといったサービスが介護保険で提供されているとすれば、保険外サービスはどのようなものなのでしょうか。言葉通りにとらえれば、それは介護保険で提供される以外のサービスとなります。そうなると私たちが普段利用している公共交通機関やショッピングをするお店、飲食店なども含まれてしまうでしょう。
これらも確かに介護保険の対象外ですが、実際にはそれらを保険外サービスと呼ぶことはほとんどありません。理由は対象者です。現在介護保険外サービスとして定義づけられているものは、高齢でありかつ介護を必要とする人もしくはその予備軍を対象としているものを指しています。
次に保険外サービスの内容ですが、ここでは「痒いところに手が届く」と「介護予防」の2つの視点からみてみましょう。まず「痒いところに手が届く」サービスですが、これは現行の介護保険サービスに付け足しで行われるものです。たとえば今の介護保険では、庭の草むしりや家族の洗濯や食事の準備などは禁止されています。しかし保険外サービスであれば、介護保険だけでは対処できないこのようなニーズにも応えることが可能となります。
「介護予防」サービスの分野はどうでしょうか。いくつになっても健康で若々しく暮らしたい、という気持ちは多くの人に共通するものです。しかしそういった思いまで介護保険で汲み取ってしまっては、介護保険財政はより早期に破綻してしまいます。これから介護が必要となる予備軍の人々へ、少しでも介護が必要とならないように、またそうなる時期が遅くなるようにする心身機能の維持を図るプログラムなどは、生活の楽しみという観点からみても、保険外サービスの真骨頂といえるでしょう。
サービスは自治体によってさまざま!負担は大きくても利用する価値はある
ここではより具体的に、保険外サービスについてみていくことにします。ここ数年でもっとも拡大した保険外サービスとしては、配食サービスが挙げられるでしょう。主に一人暮らしや日中独居になる高齢者を対象として、栄養バランスや食べやすさに配慮した食事を提供するサービスです。介護関連事業者だけでなく飲食業界、それにコンビニ業界まで参入しており、群雄割拠の様相をみせています。
家事代行サービスも健在です。いわゆる家政婦事業ですが、日本社会の高齢化に伴い再び脚光を浴びました。料理や掃除といったサービスは介護保険でもホームヘルパーの生活援助サービスとして受けることが可能ですが、今後これらの役割は家事代行サービスに移行される可能性が高まっています。
ホームヘルプサービスを完全に保険外のサービスとして提供することで、ヘルパーの指名制度を実現したケースもあります。料金は1時間あたり3,000円からと介護保険内のヘルパーサービスに比べるとかなり高めですが、その分犬の散歩などのペットケアや、家族を含むトータルケアが可能といったメリットも見逃せません。
介護保険サービスとの併用で介護の質を向上させよう
すべての保険外サービスに共通する点は、介護保険サービスに比べて割高な反面、柔軟なサービス設定が可能であり、より利用者のニーズに即した内容を提供できることでしょう。保険外サービスを利用することで、これまで以上に生活が豊かなものになることは確かです。とはいえ、保険外サービスだけに頼るのもまた問題です。保険外サービスは高額であり、それだけで生活のすべてを賄おうと思えば、莫大な金額が必要となります。また保険外サービスには、自立支援の観点から見た場合、その人のADL(日常生活動作)向上のために適切でないサービスが含まれることもあるでしょう。自分でできることもサービスとして頼んでしまうことで、どんどんとできることが少なくなってしまう恐れがあります。
このような点を解消するためには、保険外サービスの適切な利用と介護保険との連携が欠かせません。そのために必要なのはケアマネージャーがその人の生活をコーディネイトし、本当に必要なサービスのみ利用した上で、生活の質(QOL)の向上を目標とすることです。今後ますます保険外サービスが拡充していくにつれて、介護保険サービスとして提供されている居宅介護支援サービス(ケアマネジメント)の役割がより重要になることでしょう。これからは保険内外のサービスについてよく知り、上手に使いこなすケアマネージャーの存在が不可欠になるのではないでしょうか。
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