介護事業経営支援サイト「けあコンシェル」
けあコンweekly記事

広がる保険外サービス、どんな種類がある?

2017-01-16
広がる保険外サービス、どんな種類がある?

介護保険外サービスの是非に関する議論は尽きません。財政悪化に伴う介護保険内サービスの縮小と、それを補うための保険外サービスの拡大が言われているのですが、保険外サービスが浸透するにはまだいくつもの障害が残っています。ここでは現在の介護保険ではどのようなサービスが提供されているか、保険外サービスのメリットとデメリットを主に紹介することにしましょう。

介護保険サービスの内容と範囲は?

保険外サービスを知るためには、介護保険内で提供されているサービスを知る必要があります。現在介護保険では、全25種類53サービスが利用可能です。より大きな区分では3種類に分けることができます。1つ目はケアプラン作成を主な役割とする、居宅介護支援サービス。2つ目は自宅での生活を支援する居宅介護サービス、そして3つ目は施設に入所して生活全般のお世話をしてもらう介護保険施設サービスの3種類です。

もう少し細分化してサービス内容を見ていくことにしましょう。居宅介護支援サービスではケアプランの作成だけでなく、在宅生活での困りごとや不安を相談し解決するような役割も果たしています。居宅介護サービスでは、デイサービスやホームヘルプサービスを利用して、日々の生活上の困難を具体的に解決していくことになります。訪問看護や通所リハビリなど、医療的なニーズにも対応しており、在宅での暮らし全般を支えることが可能です。最後に介護保険施設サービスでは、24時間の介護が必要となり在宅での生活が困難になった人に対して、適切なケアが行える環境を提供するものとなっています。

このように現行の介護保険制度では、介護が必要となっても自宅で暮らしていくために必要なサービスがほぼ網羅されています。それではなぜ今保険外サービスが必要とされているのでしょうか。

保険外サービスのメリットとデメリット

介護保険サービスだけでは十分でない理由には、大きく2つが考えられます。1つ目は介護保険サービスの適用範囲が狭まってきていること、もう1つは生活の楽しみを提供できないことです。

まずは1つ目の介護保険サービスの適用範囲についてです。現在もっとも議論されているのがこの部分でしょう。現在の介護保険制度はかなり手厚いものであり、多くの人の在宅生活の支えとなっています。その一方で手厚すぎるがゆえに介護保険財政を圧迫しており、現行の制度を維持していくことは困難であるといわれています。介護保険制度の破綻を防ぐために、現在の手厚いサービスを薄くして、その分を保険外サービスで補おうというのが、現在の議論の骨子といえるでしょう。より具体的には、要介護度1、2の比較的低介護の人に対する生活援助サービスの打ち切りや、要支援1、2の人への介護保険サービス提供の中止などが検討されています。

もう1点の生活の楽しみについてみてみましょう。介護保険サービスで提供されるものは、あくまでその人が生活する上で必要最低限の機能を補うものです。そのためお墓参りの付き添いや小旅行への同行といったサービスは実施していません。日常生活は介護保険サービスで支援し、プラスアルファの部分を保険外サービスが担う、というビジョンがいま介護業界では描かれているのです。

介護保険サービスの不足部分を補ってくれる保険外サービスですが、当然デメリットも存在します。その最たるものが費用でしょう。原則1割負担の保険サービスに比べて、保険外サービスはすべて実費となります。当然かかる費用も保険サービスに比べると大きくなります。本来ならばある程度の平等が保たれるべき社会福祉の分野において、支払い能力によって受けられるサービス内容に大きな差が出る点も、保険外サービスの弊害といえるかもしれません。またお金を払えばサービスが提供されることから、介護保険の基本理念である自立支援が脅かされるという懸念もあります。

自治体や施設によって保険外サービスには様々な種類がある

保険外サービスは自由度の高さから、自治体によって提供されているものが全く異なる点も特徴です。たとえば施設によっては外部の業者と提携して、訪問理美容サービスを提供しているところがあります。訪問理美容だけでなく、アロマテラピストやトラベルヘルパーと提携してサービスを提供するケースも珍しくありません。

自治体独自の保険外サービスに取り組んでいるところもあります。空き家になった家を廉価で借り上げて改修し、低所得高齢者向けの共同住宅にする試みなどは、地域包括ケアと保険外サービスの混ざり合った新しい取り組みといえるでしょう。

このように保険外サービスは非常に大きな可能性を秘めています。その一方で金銭や地域による格差が生じやすいという問題点もあり、保険外サービスを推進するだけですべての問題が解決するわけでもありません。むしろ介護保険サービスといかに連携したサービスを提供できるかが、保険外サービス成功の秘訣ではないでしょうか。

リコーリースの介護報酬・障がい福祉ファクタリングは、“負債”扱いにならずに“早期”資金調達ができる介護事業、障がい・福祉事業者向けの金融サービスです。最短5営業日で資金化も可能。サービスの詳細は下記バナーをクリックください。

介護報酬・障がい福祉ファクタリングを見る

けあコンシェルでは会員登録いただきますと『実践CaseStudy』や『介護Report』などの介護業界の旬な情報をご覧いただけます。
けあコンシェル会員登録をされた方は、必ず弊社サービスをお受けいただくということではございませんので、お気軽にご登録ください。

新規会員登録をする
他にもこんな記事があります

社会保障審議会・介護給付費分科会は2月20日、介護サービス事業者が介護報酬上の加算算定に際して行う届出について、国が定める様式の使用や、厚生労働省が運用する「電子申請・届出システム」からの届出を原則化する省令・告示の改正案を了承した。改正内容を3月下旬に告示し、2024年4月1日から適用する。

社会保障審議会の介護給付費分科会は16日、介護施設・事業所の3割が介護ロボットの一種の見守り支援機器を既に導入しているとする調査研究の結果を了承した。この研究では、介護ロボットやICT機器の導入に当たって高額な費用が障壁になっていることが明らかになっており、複数の委員が報酬の加算といったインセンティブの付与や補助金の増額を検討するよう求めた。

従業員に「介護休暇」を取得したいと言われました。「介護休業」と何が違うのでしょうか。

科学的介護情報システム「LIFE」の入力項目を見直すため、厚生労働省は2023年度に国立長寿医療研究センターと連携して関連事業を実施する。アカデミアに加え、介護現場からの意見も踏まえて、24年度の介護報酬改定で項目の見直しを行う。6日に開かれた規制改革推進会議の「医療・介護・感染症対策ワーキング・グループ」の会合でこうした方向性を示した。

「介護職員処遇改善加算」などの申請様式が2023年度の提出分から簡素化されると聞きました。今の様式は3種類の加算対象者ごとに同じような計算を繰り返す必要があるなど、非常に煩雑な記入内容で事業所の担当者に大きな負担がかかっていました。簡素化によってこうした部分の改善が図られるのでしょうか?

けあコンシェルには、こんなサービスがあります
>>その他サービスを見る

早期資金化!介護報酬ファクタリングサービスで解決!現行の介護保険制度では、国民健康保険団体連合会(国保連)から介護報酬を受け取るまでに約2ヶ月かかり、その間に発生する人件費など資金が必要になります。リコーリースの「介護報酬ファクタリングサービス」を利用すれば、通常より1.5ヶ月も早く資金化することができます。

ご利用者様の預金口座から利用料金を口座振替いたします。弊社の口座振替ネットワークを利用して、電気料金などの公共料金と同じように、ご利用者様の預金口座から利用料を口座振替するシステムです。振替日は4日、20日、27日をご用意しております。

車両リースは、資金の効率的な活用を実現し、メンテナンスなど煩雑な管理業務もアウトソーシングできるため多くの企業に採用されています。一般的に車両リースを大別すると、ファイナンスリースとメンテナンスリースに分類することが出来ます。

商圏分析サービスとは、これからデイサービスの開業をお考えの方、既にデイサービスを開業しており増店をお考えの方へ出店したい地域の情報を提供させていただくサービスです。簡易版では、出店したい地域の商圏内における3種類のレポートを「けあコンシェル」会員様限定で無料にて提供いたします。

利厚生の充実は、優秀な人材確保の切り札です。アウトソーシングサービスを活用することで、豊富で充実したメニューを従業員やそのご家族の皆様へ提供でき、満足度を向上することができます。

ページトップへ戻る