介護事業経営支援サイト「けあコンシェル」
けあコンweekly記事

介護保険サービスと介護保険外サービスはどのような違いがあるのか

2018-07-17
介護保険サービスと介護保険外サービスはどのような違いがあるのか

2018年の介護報酬改定は0.54%のプラスと、わずかながらプラスの改定が行われました。2015年の2.27%のマイナス改定によって、苦しい台所事情となっていた多くの介護保険事業所は、胸を撫でおろしたのではないでしょうか。しかし、介護保険財政が改善されたわけではなく、今後も介護保険サービスだけに頼っていると先細りになっていくのは目に見えています。そこで現在注目されているのが、介護保険外サービスです。ここでは介護保険サービスと保険外サービスの違い、その具体的な内容について紹介します。

介護保険の範囲内でのサービスとはどんなもの?

介護保険で利用できるサービスは多岐にわたります。まず、ケアプランを作成する居宅介護支援サービスです。介護支援専門員、通称ケアマネージャーにケアプランを作成してもらうことで、その他の介護保険サービスが円滑に利用できるようになります。居宅介護支援サービスは2018年時点では自己負担は発生しません。つまり、無料で利用できるサービスとなります。ただ、ケアプラン作成の有料化は現在検討中であり、今後は自己負担額が生じる可能性もあるでしょう。

次に、自宅に住んでいる人が利用する、居宅介護サービスがあります。居宅介護サービスの代表的なものに、自宅に来てもらって介護サービスを受ける訪問介護サービス、自分が通う通所介護サービスがあります。その他にも一時的に施設に宿泊する短期入所生活介護サービスなども、居宅介護サービスの一種です。

特定の施設に入所して、生活全般の介護を受けるのが、施設介護サービスになります。施設には特別養護老人ホームや介護老人保険施設、それに介護療養型医療施設や特定施設などがあります。

居宅介護支援、居宅介護、施設介護の3つが介護保険で受けられる代表的なサービスです。この他にも、福祉用具貸与や地域密着型サービスなども、介護保険を使って利用できるサービスになります。これらの介護保険サービスをうまく組み合わせて利用することで、たとえ介護が必要になっても、住み慣れた地域で最期まで暮らし続けられる仕組みです。

介護施設で提供できる介護保険外サービスとは

介護保険サービスは、介護を必要とする人のニーズを幅広くカバーしています。しかし、利用者のよりこまやかなニーズにまで対応できているかというと、難しいところがあるでしょう。例えば、訪問介護サービスでは、対象となる高齢者の衣類の洗濯や、居室の掃除は生活支援に含まれます。しかし、同居者の洗濯物や食事の準備、庭の手入れをする、といったことはできません。このように、要介護者が必要とするサービスの提供だけに特化しているため、痒いところに手が届きにくいのです。

そうした介護保険ではカバーできないこまやかなサービスを提供するのが、介護保険外サービスです。家事代行サービスを利用すれば、すでに紹介したような項目は、すぐに行ってくれるでしょう。冠婚葬祭の付き添いに外出支援サービスを利用することもできます。保険外サービスには他にも、配食サービスや訪問理美容などがあります。これらの保険外サービスを積極的に自治体が行っているところもあります。

介護施設で手軽に提供できる保険外サービスとして、外出支援と訪問理美容サービスが挙げられるでしょう。特別養護老人ホームに入所している高齢者が、遠方にあるお墓参りに行きたいと希望したとしましょう。この場合、外部のトラベルヘルパーや外出支援サービスに依頼して、外出の付き添いをしてもらうことが可能です。また、訪問理美容を行っている店舗と契約を結べば、毎月決まった日に施設を訪問してもらい、サービス提供をしてもらうことができます。

事業者はサービスの範囲を理解し正しいサービスを提供しよう

介護施設の職員を使って保険外サービスを提供することは可能ですが、実現にはいくつかの障害があります。まず、書類の問題です。保険外サービスを提供するとなれば、通常の介護施設に関する書類だけでなく、保険外サービスに関する書類一式も揃えなければなりません。勤務記録や実績表、契約書関係などの書類もすべて別に作成する必要があります。また、各利用者との契約も別で行わなければなりません。一番の問題は人員の確保でしょう。施設自体の人員基準を守りながら、保険外サービスを担当する職員を捻出するためには、人員にゆとりが必要です。また、専従規定のある職員の保険外サービスを担当させることはできません。

こうした障害を乗り越えて、はじめて介護施設も介護保険外サービスを提供することができるようになります。入居している高齢者に対して、施設の職員が外出支援サービスを提供できれば、大きなメリットがあります。普段から関わりの深い職員が外出に付き添ってくれれば、高齢者は安心でしょう。事業者は保険外サービスの利用料金が得られますし、職員にとっては普段の業務とは違う仕事で気分転換になるかもしれません。

度重なる介護報酬の改定により、収入を介護保険だけに頼っていては、安定した経営を行うのは困難になりつつあります。介護保険と保険外サービスの組み合わせは、利用する高齢者にとってだけでなく、事業者にとっても魅力的な選択肢といえるのではないでしょうか。

リコーリースの介護報酬・障がい福祉ファクタリングは、“負債”扱いにならずに“早期”資金調達ができる介護事業、障がい・福祉事業者向けの金融サービスです。最短5営業日で資金化も可能。サービスの詳細は下記バナーをクリックください。

介護報酬・障がい福祉ファクタリングを見る

けあコンシェルでは会員登録いただきますと『実践CaseStudy』や『介護Report』などの介護業界の旬な情報をご覧いただけます。
けあコンシェル会員登録をされた方は、必ず弊社サービスをお受けいただくということではございませんので、お気軽にご登録ください。

新規会員登録をする
他にもこんな記事があります

厚生労働省は、介護事業所での人件費などの経費を緊急で補助する「2024年度介護人材確保・職場環境改善等事業」のサービス類型ごとの交付率を示した。交付率は、▽訪問介護10.5%▽通所介護6.4%▽通所リハビリテーション5.5%▽小規模多機能型居宅介護8.4%▽介護福祉施設サービス8.3%▽介護保健施設サービス4.3%-など。

厚生労働省は、2024年度の介護報酬改定で創設した「介護職員等処遇改善加算」に関する要件の弾力化を盛り込んだ通知を都道府県などに出した。職場環境改善の要件に関する取り組みを事業者が25年度中に行うと処遇改善計画書で誓約すれば、その要件を満たしていると見なしても差し支えないとした。誓約した事業者は26年3月末までに関連の取り組みを行い、実績報告書でそのことを報告しなければならない。

厚生労働省はこのほど、2024年8月の「介護保険事業状況報告の概要(暫定版)」を公表した。詳細は以下の通り。

千葉県東金市で65年にわたり、地域住民の健康・福祉を支え続けてきた浅井ヘルスケアグループ。そのグループの一員である社会福祉法人ゆりの木会が運営する介護施設「ゆりの木苑」は、長年地域に寄り添い、地域とともに歩んできた。そんな同施設の日常を紹介する。

厚生労働省は、2024年度の補正予算を活用した「介護テクノロジー導入・協働化等支援事業」について25年度中にケアプランデータ連携システムの利用を開始することを事業所の要件とすると都道府県などに周知した。

けあコンシェルには、こんなサービスがあります
>>その他サービスを見る

早期資金化!介護報酬ファクタリングサービスで解決!現行の介護保険制度では、国民健康保険団体連合会(国保連)から介護報酬を受け取るまでに約2ヶ月かかり、その間に発生する人件費など資金が必要になります。リコーリースの「介護報酬ファクタリングサービス」を利用すれば、通常より1.5ヶ月も早く資金化することができます。

ご利用者様の預金口座から利用料金を口座振替いたします。弊社の口座振替ネットワークを利用して、電気料金などの公共料金と同じように、ご利用者様の預金口座から利用料を口座振替するシステムです。振替日は4日、20日、27日をご用意しております。

車両リースは、資金の効率的な活用を実現し、メンテナンスなど煩雑な管理業務もアウトソーシングできるため多くの企業に採用されています。一般的に車両リースを大別すると、ファイナンスリースとメンテナンスリースに分類することが出来ます。

商圏分析サービスとは、これからデイサービスの開業をお考えの方、既にデイサービスを開業しており増店をお考えの方へ出店したい地域の情報を提供させていただくサービスです。簡易版では、出店したい地域の商圏内における3種類のレポートを「けあコンシェル」会員様限定で無料にて提供いたします。

利厚生の充実は、優秀な人材確保の切り札です。アウトソーシングサービスを活用することで、豊富で充実したメニューを従業員やそのご家族の皆様へ提供でき、満足度を向上することができます。

2024年度介護報酬改定~意見交換会
をダウンロード
介護保険制度の見直しをダウンロード
感染症や災害への対応力強化へ!BCP 業務改善計画とは?をダウンロード
ヘルスケア・マネジメント.com
ガソリン給油カード、入会金年会費無料

ページトップへ戻る