
放課後等デイサービスの将来性は?今後取り組むべきこととは

1990年代から2010年代にかけて、障害を持つ小中学生の数は増え続けているという調査結果があります。これらの子どもたちは数が増えたというよりも、今まで周囲の無理解などから見落とされていた例が改められたケースが多いのです。身体障害や発達障害をもつ子どもたちは、精神的肉体的に多くのニーズを抱えています。そこで、こうした子どもたちの受け皿となるために、学校が終わった後に学業や生活訓練を行う場所である放課後等デイサービスの存在が重要になってきているのです。
障がいを抱える子どもが増加傾向にある
全国の公立小学校、中学校に対する調査によると、1990年代から2010年代にかけての20年の間に、障害があると診断されて通級指導を受けるようになった児童生徒は、調査開始以前の約7倍にまで増えています。その総数は全国で9万人にのぼり、診断結果も四肢麻痺や知的障害、自閉症、ADHDや、高機能自閉症、アスペルガー症候群など多岐に渡ります。知的障害、身体障害は比較的早い時期から診断が下ります。しかし、自閉症などの発達障害は「親の育て方によるもの」という偏った見方が強く、多くの子どもたちが見過ごされていたのです。特に90年代までは親の責任を重視する傾向が強く、適切な指導を受けられなかった過去があります。
そのため、2000年代にかけて研究が進むと、発達障害は育て方ではなく先天的なものであることが明らかになり、障害児の数が急激に増える結果となったのです。それに伴って医師による診断基準も少しずつ改定されていきつつあります。そして、このような診断を受けた子どもたちは、特別支援学級においてその子にあった指導を受ける必要があります。それが進展して広まりつつあるのが、放課後等デイサービスなのです。
放課後等デイサービスは、以前は児童デイサービスとも呼ばれていました。その当時は児童が家庭に保護されるまでの時間、介助者が生活援助や学習指導を行う場所でしたが、現状では生活訓練や食事介助まで業態が広がってきています。
放課後等デイサービスにはどんなニーズがあるの?
放課後等デイサービスは、経営を行う事業所によって形態はさまざまです。塾のように学習指導を行ったり、ADLの改善のために自主自立を重んじた生活を送らせたり、中には給食サービスを行ったりする場所もあります。何故多様な事業形態が発展しているのかというと、障害とは1人1人が違うものを持っており、子ども1人1人に対する保護者のニーズも多種多様だからです。ある家庭ではコミュニケーション能力を訓練してほしい、またある家庭では集中力を身につけさせてほしい、あるいは自分で服の着脱ができるようになってほしいなど実にさまざまです。
そのため、放課後等デイサービスの将来性を失わないためにも、障害児を抱える保護者のニーズにこたえられる専門職の確保が欠かせません。児童福祉士、保育士をはじめ、介護ヘルパーや介護福祉士、言語聴覚士などの資格を持った職員を勤務させることが必要になります。現在専門職資格を持った求人は増えつつあり、それに伴って資格を取ることを希望する学生や主婦なども増えています。この機を逃さずに、所定のカリキュラムを修めた専業者をスタッフとして雇用することが、事業所の将来的な安定経営を行う上で欠かせない要素となっているのです。
放課後等デイサービスの今後取り組むべきこと
発達障害を持つ多くの子どもたちは、同世代の子どもたちとコミュニケーションをとることに非常な困難を抱えています。また視覚障害や四肢麻痺などで車椅子生活をしている児童生徒も、同級生たちと「同じように過ごせない」という不安な状況下で日々を過ごしています。放課後等デイサービスに求められていることとして、このような心に不安を抱えてしまった障害児たちと学校、友達、地域の架け橋となり、その中で安心して過ごせるようにフォローしていくことがあげられます。学校にいる間障害を持つ子どもたちは非常に緊張した時間を過ごします。そこは、正解、不正解という基準でのみ自分を測られることが多く、自身の持っている能力に応じて「できないこと」、不可能性を如実に思い知らされる場所であるからです。
こうした不安を解消することが、放課後等デイサービスを営む事業所の将来性につながります。学校や地域に居場所を持てない子どもたちや保護者たちの受け皿となることで、安定した利用者確保が可能になります。自分が責任者を務める事業所が利用者に選ばれ続けるためには、施設のブランディング化が重要なテーマです。ブランディングとは、他の施設にはない特色を持っていること。まず利用者である子どもと保護者から聞き取りをしっかりと行い、持っているニーズを踏まえてどのような指導方針を打ち立てていくか、適切な指導計画を策定していくことが経営者の責務なのです。
放課後等デイサービスはまだまだ新しい事業です。そのため、制度の改定も少しずつですが進められています。報酬単価も伸びてきてスタッフを雇用しやすくなっていくのもメリットです。子どもたちを守る新しい施設として、特色を出していくこと。それが長く経営を続けていくために事業者が努力し続けなくてはならないポイントとなります。
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