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介護における「loT」とは何か?活用事例や課題について解説

2024-08-30
介護における「loT」とは何か?活用事例や課題について解説

2026年4月から、介護に関する情報をデジタル化し、一元管理する「介護情報基盤」の運用が始まります。しかし、介護情報基盤について聞いたことがあっても、具体的に介護現場がどのように変わるのか、どのような情報がデジタル化されるのか、詳しく知らないという方もいるでしょう。
介護情報基盤の運用によって、利便性や業務効率の向上のほか、多職種間の連携強化などいくつかの効果が期待されています。
この記事では、介護情報基盤の仕組みや、共有される情報の範囲、介護情報基盤の利活用によって期待される効果について紹介します。

(参考:介護情報基盤について

・2023年5月の健康保険法改正により、「介護情報基盤の整備」が決定
・介護情報基盤では、要介護認定情報や請求・給付情報などを電子的に閲覧できる
・介護サービスの利便性向上や業務負担軽減などの導入効果が期待されている

2026年から運用が始まる「介護情報基盤」とは?

介護情報基盤とは、“自治体・利用者・介護事業者・医療機関などが、利用者に関する介護情報等を電子的に閲覧できる情報基盤"のことです。介護情報基盤の導入により、これまで紙を使ってアナログにやり取りしていた情報を、全国医療情報プラットフォームを通じてスムーズに共有できるようになります。

介護情報基盤は、2023年5月19日に一部改正された健康保険法において、「介護情報基盤の整備」として規定されていたものです。

改正の概要1.被保険者、介護事業者その他の関係者が当該被保険者に係る介護情報等を共有・活用することを促進する事業を地域支援事業として位置付ける。
2.市町村は、当該事業について、医療保険者等と共同して国保連・支払基金に委託できることとする。
施行期日公布後4年以内の政令で定める日

厚生労働省は、2026年4月1日から介護情報基盤の運用開始(介護情報基盤に関する規定の施行)を目指しており、そのためのシステム設計や事業者支援策の構築、自治体システム改修の支援など、さまざまな準備を進めています。

(参考:介護情報基盤について

介護情報基盤の仕組み

介護情報基盤は、国保中央会(国民健康保険中央会)が開発するシステムを中心として、利用者・自治体・介護事業所・医療機関がそれぞれ情報を連携したり、閲覧したりする仕組みになっています。
介護情報基盤の活用イメージは以下のとおりです。

利用者・マイナポータルを経由して、介護情報基盤に登録された介護情報を自由に閲覧できる
自治体・介護情報基盤を通じて、ケアプラン情報やLIFE情報を自由に閲覧・活用できる
・介護保険証等情報、要介護認定情報、住宅改修費利用等情報を介護情報基盤に登録する
・介護情報基盤を経由して、主治医意見書を受領する
介護事業所・介護保険資格確認等WEBサービスを経由して、介護情報基盤に登録された介護情報を閲覧できる
・ケアプラン情報やLIFE情報を介護情報基盤に登録する
医療機関・院内の閲覧・入力端末から、主治医意見書を介護情報基盤に登録する

介護情報基盤によって共有される情報の範囲

介護情報基盤によって共有される情報の範囲は、以下の表のとおりです。

情報の種類様式等介護情報基盤で情報共有する関係者
利用者市区町村介護事業所居宅介護支援事業所等
要介護認定情報①認定調査票--
②主治医意見書--
③介護保険被保険者証(要介護度等を含む)
④要介護認定申請書--
請求・給付情報①給付管理票
②居宅介護支援介護給付費明細書
-
③介護給付費請求書
④介護予防・日常生活支援総合事業費請求書
⑤居宅サービス・地域密着型サービス給付費明細書
⑥介護予防サービス・地域密着型介護予防サービス介護給付費明細書
⑦介護予防・日常生活支援総合事業費明細書
⑧施設サービス等介護給付費明細書
-
LIFE情報①LIFE情報(利用者フィードバック票)★/◎
ケアプラン1.居宅サービス
①第1表 居宅サービス計画書(1)
②第2表 居宅サービス計画書(2)
③第3表 週間サービス計画表
④第6表サービス利用票
⑤第7表 サービス利用票別表
2.施設サービス
⑥第1表 施設サービス計画書(1)
⑦第2表 施設サービス計画書(2)
⑧第3表 週間サービス利用表
住宅改修費利用等の情報①介護保険住宅改修費利用情報
②介護保険福祉用具購入費利用情報
-

※★:作成主体、○:これまで主に共有し、今後も介護情報基盤で情報共有される主体、◎:今後、利用者の同意を前提に介護情報基盤で情報共有される主体、をそれぞれ意味します。
(参考:介護情報基盤について

介護情報基盤の導入によって期待される効果

厚生労働省によると、介護情報基盤の導入によるメリットは3つあります。
1.利便性向上・業務負担軽減
2.データ共有による多職種連携強化
3.データ利活用による介護の質の向上

利便性向上・業務負担軽減

介護現場では、介護保険被保険者証の電子化やマイナンバーカードとの一本化により、利便性の向上が期待されます。
また要介護認定に関する事務手続きや、自治体・医療機関とのやり取りもデジタル化されるため、業務負担の軽減につながります。

データ共有による多職種連携強化

介護情報基盤を通じて、介護事業所や医療機関の情報共有がスムーズになり、適切なケアを提供できるようになります。
これにより、高齢者を支える地域包括ケアシステムの強化につながることが期待されています。

データ利活用による介護の質の向上

介護情報基盤に蓄積される情報を分析し、介護の質の向上に役立てることが可能です。
また主治医意見書などの二次利用により、介護情報をビッグデータとして活用し、新しいケア方法の考案や、介護報酬の見直しに活用することも検討されています。
ただし、介護情報基盤にはセキュリティ上のリスクや、技術的な課題・コスト、利用者の同意の問題があることが指摘されています。2026年4月の運用開始に向けて、厚生労働省から補助や情報提供を受けながら、適切な仕組みづくりを進めていくことが大切です。

まとめ

介護情報基盤とは、介護に関する情報を一元管理し、利用者や市区町村、介護事業所、居宅介護支援事業所などが、電子的に閲覧できるようにするためのシステムです。厚生労働省は、2026年4月の運用開始に向けて準備を進めています。

介護情報基盤の導入によって、介護保険被保険者証のペーパーレス化による利便性の向上や、介護事業所間の情報共有による地域包括ケアの強化など、さまざまな効果が期待できます。

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