介護事業経営支援サイト「けあコンシェル」
けあコンweekly記事

介護事業者はどんな保険外サービスを提供するべき?

2018/07/09
介護事業者はどんな保険外サービスを提供するべき?

介護保険とは、介護が必要とする高齢者を社会全体で支え、適切なサービスを受けられるようにサポートするための公的福祉制度です。介護サービスの中には、この介護保険が適用されるものとそうでないものがあります。保険外サービスを利用するときにはすべて自己負担となりますが、利用者にとってどんなメリットがあるのでしょうか。また、事業者はどういったサービスを提供しているのでしょうか。今回は、介護の保険外サービスについて、詳しく説明していきます。

どんな介護保険外サービスがあるかを知ろう

介護事業者が提供している保険外サービスはいろいろありますが、基本的には日常生活の中で要介護者やその家族が手助けを必要とする場面に応じた内容になっています。例えば食事の宅配サービス。利用者の健康状態に合わせて、栄養バランスに配慮した健康的な食事を自宅まで届けてくれるサービスです。材料の買い物や準備、片付けなど食事作りの負担を減らしてくれます。1人で食事の支度をするのが困難な人や仕事などで家族の介護になかなか時間が取れない人に向けた内容です。

食事以外だけでなく、日常のあらゆる家事を代行するサービスもあります。掃除や洗濯、ゴミ出しなど利用者のリクエストに応じて内容が決まるので、何をやるかは利用者によって異なります。家事代行は要介護者だけではなく、一人暮らしの人や出産前後の人、共働き世帯なども利用することがありますが、高齢者向けに特化するならトイレ介助や食事の介助など、幅広いニーズに対応できる必要があるでしょう。他には外出時に要介護者を支援するサービスもあります。身体が不自由な人や1人での外出が不安だという人に向けた支援で、日常的な買い物や遠出の際に専門知識を持ったヘルパーが高齢者のお出かけをお手伝いします。

上記で挙げたようなサービスは単発で利用する方と定期的に利用する方とがいます。定期的にサービスを利用する人の場合は、利用者の安否確認など見守りサービスの役割も担うことがあります。

施設利用者のニーズを理解しよう

こういった介護保険外サービスの利用料は事業者が独自で定めており、サービス内容によっては高額になることもあります。それでも利用者がいるのは、要介護者のさまざまなリクエストに応じてもらえるというメリットがあるからと考えられます。介護保険サービスの場合、保険が適用されるにはさまざまな条件があり、ときには利用者のニーズに応えられないこともあります。サービスが受けられない部分は家族や周囲に助けを借りてカバーするしかありませんが、近くに頼りにできる人がいない場合は困りものです。

介護保険外サービスを提供するときには、介護保険でカバーしきれない利用者の細かなニーズを敏感に察知し、それに応えていく姿勢が重要です。例えば、買い物でも日用品の買い物は保険適用になることが多いですが、好きなお菓子を買うために遠方まで行ってもらうことは保険内ではできません。これは「なくても困らないが、あると生活が豊かになるもの=嗜好品」とみなされ、介護保険では扱えないのです。同じ理由で、映画館や美術館へ行くのに付き添ってもらうこともできません。日常のちょっとした作業、たとえば布団を干したり庭の掃除をしたりといった作業も保険適用になるかどうかは状況によって異なるので、利用者が満足いくサービスが受けられないこともあります。

しかし、こういった部分もすべて保険外サービスならカバーできるので、利用者に積極的にヒアリングをして、ニーズを探っていきましょう。

どこまでが介護保険外サービスであるかをはっきりさせよう

介護保険で受けられるサービスは大きく分けて3つあります。家にいながら受けられる「居宅サービス」、利用者が適切な支援を受けられるようにケアマネージャーなどが相談に乗る「支援サービス」、そして特定の施設で介護や看護などを受ける「施設サービス」です。施設サービスはさらに特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の3つに分かれます。

介護保険は利用者によって適用できる範囲が細かく定められています。「要支援」と「要介護」にレベル分けがされており、さらにそれぞれ2段階と5段階に分かれています。レベルに応じて供給される支援は変わり、自分が望む全てのサービスを受けられる訳ではないのです。基本的には「日常生活を送る上で最低限必要なもの」しか介護保険ではカバーできません。

ただし、自治体によって保険適用のルールには違いがあります。また「地域密着型サービス」といってその自治体の住民のみが利用できるサービスもあります。このサービスではその地域で住むのに困らないような支援、例えば雪の多い地域なら雪かきや雪下ろしなどのサービスが受けられる制度です。保険外サービスを提供するときには自治体ごとのルールを確認し、またその自治体の特色を理解した上でサービス内容を検討する必要があると言えるでしょう。保険内でできることとそうでないことをはっきりとさせ、保険が効かない部分を積極的にカバーすることで、利用者に満足してもらえるサービスを提供できるのではないでしょうか。

リコーリースの介護報酬・障がい福祉ファクタリングは、“負債”扱いにならずに“早期”資金調達ができる介護事業、障がい・福祉事業者向けの金融サービスです。最短5営業日で資金化も可能。サービスの詳細は下記バナーをクリックください。

介護報酬・障がい福祉ファクタリングを見る

けあコンシェルでは会員登録いただきますと『実践CaseStudy』や『介護Report』などの介護業界の旬な情報をご覧いただけます。
けあコンシェル会員登録をされた方は、必ず弊社サービスをお受けいただくということではございませんので、お気軽にご登録ください。

新規会員登録をする
他にもこんな記事があります

2040年を見据え、全国を3つの地域に分類して介護サービス提供体制を構築する方針が示されている。「中山間・人口減少地域」への対応が具体化されつつあり、人員配置基準の緩和に向けては、サービスの質確保の観点か...

◆被災地で定期巡回サービスを開設福島県双葉郡富岡町は、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響で、避難指示区域に指定され、全町民が避難を経験した地域だ。避難指示が解除されたことで帰還者や移住者は増...

厚生労働省は、22日に開催された社会保障審議会・介護保険部会に「介護保険制度の見直しに関する意見」(案)を提出した。個別の論点について反対意見が出たが、見直しの方向性については大半が賛同の意を示した(資...

厚生労働省は19日に開催された、社会保障審議会・介護給付費分科会に「介護職員等の処遇改善」「基準費用額」で構成された「2026年度介護報酬改定に関する審議報告」(案)を提示した。同部会では処遇改善に向けた方...

Q.令和7年10月から開始される「教育訓練休暇給付金」について教えてください。雇用保険において新たに創設された給付金制度とは、どのような内容でしょうか。A.「教育訓練休暇給付金」とは、雇用保険の一般被保険...

けあコンシェルには、こんなサービスがあります
>>その他サービスを見る

早期資金化!介護報酬ファクタリングサービスで解決!現行の介護保険制度では、国民健康保険団体連合会(国保連)から介護報酬を受け取るまでに約2ヶ月かかり、その間に発生する人件費など資金が必要になります。リコーリースの「介護報酬ファクタリングサービス」を利用すれば、通常より1.5ヶ月も早く資金化することができます。

ご利用者様の預金口座から利用料金を口座振替いたします。弊社の口座振替ネットワークを利用して、電気料金などの公共料金と同じように、ご利用者様の預金口座から利用料を口座振替するシステムです。振替日は4日、20日、27日をご用意しております。

車両リースは、資金の効率的な活用を実現し、メンテナンスなど煩雑な管理業務もアウトソーシングできるため多くの企業に採用されています。一般的に車両リースを大別すると、ファイナンスリースとメンテナンスリースに分類することが出来ます。

商圏分析サービスとは、これからデイサービスの開業をお考えの方、既にデイサービスを開業しており増店をお考えの方へ出店したい地域の情報を提供させていただくサービスです。簡易版では、出店したい地域の商圏内における3種類のレポートを「けあコンシェル」会員様限定で無料にて提供いたします。

利厚生の充実は、優秀な人材確保の切り札です。アウトソーシングサービスを活用することで、豊富で充実したメニューを従業員やそのご家族の皆様へ提供でき、満足度を向上することができます。

ページトップへ戻る