介護事業経営支援サイト「けあコンシェル」
けあコンweekly記事

介護職員処遇改善加算とは? 処遇改善の一本化についても解説

2024-04-23
介護職員処遇改善加算とは? 処遇改善の一本化についても解説

「介護職員処遇改善加算」は、介護職員の賃金や労働環境の改善を図るうえで欠かせない制度です。要件さえ満たしていれば申請可能な制度で、特にハードルが高いということもありません。サービス種別ごとの加算率に応じて計算を行います。本記事では、現行の介護職員処遇改善加算の目的や対象となる事業、取得に関する手順、算定要件などを説明し、そのうえで処遇改善加算の一本化について解説していきます。

介護職員処遇改善加算

1.介護職員処遇改善加算とは

「介護職員処遇改善加算」とは、事業所が必要な資金を国が支給してくれる制度のことです。支給は厚生労働省を介して行われ、介護職員の処遇改善を図ることを目的としています。現行制度では「処遇改善加算」「特定事業所加算」そして「ベースアップ等支援加算」の3種類に分かれています。

1-1.介護職員処遇改善加算を行う目的

厚生労働省が公開している資料(「介護職員処遇改善加算」のご案内)では、介護職員処遇改善加算を行う目的を「介護職員の安定的な処遇改善を図るための環境整備とともに、介護職員の賃金改善に充てること」としています。特に介護職員の賃金については、改善を求める声が以前から出ていました。賃金改善に取り組むことは大きな要因となっています。

今後、高齢化は急激に進行していきます。そうなれば、介護職員の負担が増すのは予想し得ることです。当然ながら、職員の増員も検討しておかなければなりません。介護職員処遇改善加算は、介護人材の確保と定着といった課題解決を図ることも視野に入っています。

1-2.対象事業

介護職員処遇改善加算の対象となるのは、デイサービスや入所施設といった直接介護を行っている事業所です。事業だけでも細かく指定されています。具体的にはどういった事業が対象になるのかは、以下をご覧ください。ほとんどの介護従事者が対象となる制度ですが、管理者や相談員、看護師などは介護業務を兼任していることが条件です。

・訪問介護
・訪問入浴介護
・通所介護
・通所リハビリテーション
・短期入所生活介護
・短期入所療養介護
・特定施設入居者生活介護
・介護老人福祉施設
・介護老人保健施設
・介護療養型医療施設
・介護医療院
・定期巡回、随時対応型訪問介護看護
・夜間対応型訪問介護
・地域密着型通所介護
・認知症対応型通所介護
・小規模多機能型居宅介護
・認知症対応型共同生活介護
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
・看護小規模多機能型居宅介護

1-3.取得の流れ

では、介護職員処遇改善加算を取得する際の流れについて説明していきます。基本的な流れは「1、介護職員処遇改善計画書を提出」「2、加算の請求と支払い」「3、処遇改善実績報告書を提出」の3つのステップになっています。

「介護職員処遇改善計画書の提出」で、まず必要となるのが就業規則と給与規定といった必要種類です。そして「介護職員処遇改善計画書」を作成して管轄の自治体へ提出します。計画書通りに実施できたら、その後に報告を行います。

「加算の請求と支払い」では、介護報酬として加算額が支給されます。わかりやすくいえば、職員の給料に上乗せする介護報酬のことです。加算額の支給は報告した取り組みが承認された後になります。事前に受け取ることはできません。

最後の「処遇改善実績報告書を提出」では、実際に賃金が改善された処遇改善実績報告書を提出しましょう。提出先は都道府県などで、速やかな対処が求められます。もしも提出を忘れたり内容が不十分だったりすると、支給された加算額を返還する場合があります。

1-4.申請に必要な要件

介護職員処遇改善加算の申請に必要な要件は「キャリアパス要件」と「職場環境等要件」の2つがあります。この2つの組み合わせによって、支給される加算額が変わります。なお、介護職員処遇改善加算の区分はI~Vの5つです。もっとも高い「加算I」は職員1人当たり月額3万円7000円相当、もっとも低い「加算V」だと職員1人当たりの月額は1万2000円相当になります。

「キャリアパス要件」はI、II、IIIの3種類に分かれています。Iは「職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をすること」、IIは「資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設けること」、そしてIIIは「経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組みまたは一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること」です。「職場環境等要件」とは、賃金改善以外の部分を指します。働きやすさなど職場環境の改善に関する取組を実施することが求められます。

2.2024年以降、介護職員処遇改善加算が一本化

介護職員処遇改善加算は、現行で3種類になっている「介護職員の処遇改善にかかる加算」が、2024年度の改定で「介護職員等処遇改善加算」に一本化されます。そこで、改善加算の一本化の概略について解説していきます。

2-1.加算の一本化とは?

現行では「処遇改善加算I~III」「特定事業所加算I~II」「ベースアップ等支援加算」の3つの加算が重なるイメージになっています。2025年3月までは、現行のままです。一本化されるのは2025年4月からで、新加算I~新加算IVの4段階に設定されます。一本化する狙いは、介護職員の待遇と職場環境をさらに改善することです。同時に、事務作業を簡素化するという目的もあります。

新加算Iの要件はもっとも厳しいですが、その分加算率は高く、22.4%となっています。新加算IIの加算率は20.3%、新加算率IIIの加算率は16.1%、新加算IVの加算率は12.4%です。

2-2.一本化に伴う分配ルールの見直し

新処遇改善加算では、月額賃金の改善を図ることを目的に分配ルールの見直しが求められています。月額賃金の改善要件の案として、次の「基本ルール」と「新規取得事業所に関するルール」の2つが提起されています。

1つめの基本ルールは、新処遇改善加算IVの2分の1以上を月額賃金の改善としてあてることです。そして、2つめの新規取得事業所に関するルールは、新加算の取得にともなって収入が増加した部分のうち現行のベア加算に相当する部分が焦点になっています。現行のベア加算に相当する部分全額を新たに賃金改善にあて、さらにその3分の2相当を月額賃金によって改善を図るというものです。これを、基本ルールとともに実施することとしています。

処遇改善加算の改定情報を把握しておこう

介護報酬の改定は、数年おきに実施されています。介護の現場を充実させるには、介護職員の待遇を少しでもよくしていかなければなりません。職員の新たな確保だけでなく、離職率を下げるうえでも重要なことです。経営者が処遇改善加算を取得することで、待遇と職場環境の改善に取り組んでいる姿勢を示すことができます。最新の改定情報を的確に把握し、速やかに対応しておきましょう。

リコーリースの介護報酬・障がい福祉ファクタリングは、“負債”扱いにならずに“早期”資金調達ができる介護事業、障がい・福祉事業者向けの金融サービスです。最短5営業日で資金化も可能。サービスの詳細は下記バナーをクリックください。

介護報酬・障がい福祉ファクタリングを見る

けあコンシェルでは会員登録いただきますと『実践CaseStudy』や『介護Report』などの介護業界の旬な情報をご覧いただけます。
けあコンシェル会員登録をされた方は、必ず弊社サービスをお受けいただくということではございませんので、お気軽にご登録ください。

新規会員登録をする
他にもこんな記事があります

厚生労働省は2024年度の介護報酬改定に関するQ&A(Vol.7)で、「協力医療機関連携加算」について介護施設・事業所が入所者の病歴などの情報を協力医療機関と共有する会議を定期的に開催するなど実効性のある連携体制を構築していれば、入所者の同意が得られなくても算定できるとの考え方を示した。

全国介護事業者連盟(介事連)の斉藤正行理事長は13日、自由民主党のケアテック活用推進議員連盟の会合に出席し、企業に対する開発支援や、現場ニーズを把握するためのマッチング支援を求める提言を行った。

厚生労働省は14日、2024年3月の「介護保険事業状況報告の概要(暫定版)」を公表した。詳細は以下の通り。

政府は11日の経済財政諮問会議で示した骨太方針2024の原案に、医療や介護分野での不適切な人材紹介手数料や、高齢者向け住宅の入居者に特定の事業者が過剰な介護サービスを行う、いわゆる「囲い込み」を解消するため「実効性ある対策を講じる」と明記した。いずれも報酬体系の見直しや規制強化のさらなる検討を想定している。

障害者の法定雇用率が変更されると聞きましたが、いつから変わるのでしょうか。

けあコンシェルには、こんなサービスがあります
>>その他サービスを見る

早期資金化!介護報酬ファクタリングサービスで解決!現行の介護保険制度では、国民健康保険団体連合会(国保連)から介護報酬を受け取るまでに約2ヶ月かかり、その間に発生する人件費など資金が必要になります。リコーリースの「介護報酬ファクタリングサービス」を利用すれば、通常より1.5ヶ月も早く資金化することができます。

ご利用者様の預金口座から利用料金を口座振替いたします。弊社の口座振替ネットワークを利用して、電気料金などの公共料金と同じように、ご利用者様の預金口座から利用料を口座振替するシステムです。振替日は4日、20日、27日をご用意しております。

車両リースは、資金の効率的な活用を実現し、メンテナンスなど煩雑な管理業務もアウトソーシングできるため多くの企業に採用されています。一般的に車両リースを大別すると、ファイナンスリースとメンテナンスリースに分類することが出来ます。

商圏分析サービスとは、これからデイサービスの開業をお考えの方、既にデイサービスを開業しており増店をお考えの方へ出店したい地域の情報を提供させていただくサービスです。簡易版では、出店したい地域の商圏内における3種類のレポートを「けあコンシェル」会員様限定で無料にて提供いたします。

利厚生の充実は、優秀な人材確保の切り札です。アウトソーシングサービスを活用することで、豊富で充実したメニューを従業員やそのご家族の皆様へ提供でき、満足度を向上することができます。

2024年度介護報酬改定~意見交換会
をダウンロード
介護保険制度の見直しをダウンロード
感染症や災害への対応力強化へ!BCP 業務改善計画とは?をダウンロード
ヘルスケア・マネジメント.com
ガソリン給油カード、入会金年会費無料

ページトップへ戻る