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なぜ有料ホームで孤独死が起きる?原因と対策を押さえよう

2019/08/26
なぜ有料ホームで孤独死が起きる?原因と対策を押さえよう

核家族化や少子高齢化が進む現代の日本では、高齢者が有料老人ホームに入居することも珍しくありません。高まる老人ホームの需要に応えるためにも、家族が安心して任せられるサービスを提供しなければなりません。ところが、実際には老人ホームでも高齢者の孤独死が発生することがあります。今回は、老人ホームで孤独死が起きる原因と対策について考えていきましょう。

そもそも孤独死の定義は?

孤独死は、法律などで明確に定義されているわけではありません。人が亡くなる状況や状態はさまざまであり「こんな亡くなり方なら孤独死」と画一的に定めるのが難しいためです。警察の死因統計でも変死として扱わるケースが多いですが、一般的には「自分の住居内で誰にも看取られず一人で死亡すること」だと認識されています。一人で暮らしている人の場合、体調の急変などで亡くなってしまっても、なかなか周囲の人に気付いてもらえないケースが珍しくありません。普段からあまり人付き合いをしていなかったり、親族と疎遠になっていたりすると、発見まで時間がかかってしまうことが多いです。

孤独死をしてしまう人の年齢や性別はさまざまですが、やはり病気がちになったり、体の衰えが進んだりする高齢者の割合が多いと言えるでしょう。少子高齢化や核家族化が進む日本では、将来的に見ても高齢者の孤独死は増えていくと考えられます。万が一の事態に備え、スタッフや看護師が常駐する有料ホームへの入居を考える高齢者や家族も少なくありません。常に誰かの目があれば、たとえ体調の急変で亡くなってしまったとしても、長期間発見されないなどという悲しい事態を避けることができるでしょう。

ところが、実際には有料ホームに入居していても、孤独死してしまうケースがあります。入居の際にかかる費用が数千万円という高級有料ホームでも孤独死が発生しており、施設が豪華で人手もあれば孤独死を防げるとは限らないのです。入居者が孤独死したとなれば、施設に向けられる社会や家族からの信頼は落ちてしまうことになり、入居者からも不信感を持たれてスムーズな介護ができなくなる恐れもあります。最悪の事態を避けるためにも、施設の運営者は孤独死を防ぐさまざまな対策を講じることが大切です。

有料ホームで孤独死が起きる原因

有料ホームは、入居金などの一時金や月々の生活費などを支払い、主に高齢者が施設の部屋を借りて生活します。施設によってサービスやスタッフの数、入居対象者などは異なりますが、基本的には人の目に触れる機会が多いため孤独死は起こりにくいです。それどころか、食事の準備や介護をはじめ、看護師が常駐してきめ細やかに入居者の体調管理をしてくれるところも多いため、一人暮らしをするより健康面では安全と言えるでしょう。そんな有料ホームで、なぜ孤独死が起きてしまうのでしょうか。

その理由のひとつに「入居者に介護の必要がなかった」という点が挙げられます。実際に有料ホームで孤独死をしてしまった高齢者は、介護が必要ない自立した人だったのです。介護が必要ない、つまり高齢者とはいえ比較的健康な人だったのに、なぜ孤独死したのか不思議に思うでしょう。実は「自立した人だから大丈夫」という周囲の意識こそが原因だったのです。介護が必要な人と自立した人が一緒に入居する有料ホームの場合、スタッフの意識はどうしても介護が必要な人に向きがちです。もともと健康状態が良くない人に対しては、周囲も常に気を配ってこまめに様子を確認しますし、定期的に介護が必要であれば必然的に安否確認も行われます。

ところが、自立した人は食事の準備や部屋の掃除、入浴などもすべて自分で行い、施設のサービスを利用しないこともあります。なかには、人の世話になることを嫌がり、入居者全員に行われる清掃などのサービスを拒否する人もいるのです。このような場合、スタッフやほかの入居者との接点がほとんどなくなるため目が行き届かなくなり「最近見かけないな」と思ったときには孤独死していたという事態が起こり得るのです。もちろん、自立した入居者だからといって放置して良いわけではありません。定期的な安否確認を行うシステムを整えていなかった施設側の責任も、非常に大きいと言えるでしょう。

有料ホームにおける孤独死の防止策

有料ホームにおける孤独死を防ぐには、何より「定期的な安否確認」が欠かせません。介護が必要な人は自然と安否確認ができますが、注意しなければならないのは一切のサービスを利用しない自立した入居者です。いくら健康そうに見えても、高齢になれば突然の体調不良が起きるケースも少なくありません。自立しているからと安心するのではなく、毎日必ず無事かどうかを確認するためのシステムを考えましょう。たとえば、部屋の入口にホワイトボードなどを設置し、毎朝無事ならば名前を書いたりマグネットを動かしてもらったりする方法があります。スタッフが毎日それを確認し、前日から変化がなければ必ず部屋を確認するようにすれば、孤独死は防げるでしょう。

入居者によってはスタッフの干渉を嫌う人もいますが、だからといって本当に放置してしまうと万が一のときに気付けません。入居者に合った対策を考え、お互い気持ち良く過ごせるように工夫することが大切です。

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