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介護職のメンタルケアは事業者の使命

2019-04-01
介護職のメンタルケアは事業者の使命

高齢化社会である現代において、介護の問題は国家レベルでクリアしていく大きな課題となっています。介護事業の形態も施設介護を中心としたものもあれば、在宅介護のサービスを中心にしたものもありますので、現場にいる介護職員のストレスも多様化しています。このような状況にあって介護事業者は介護職員のメンタルケアについてしっかりとした対策を考えていく必要があります。メンタルケアは大きな課題の一つでもありますが、日々のケアの中でクリアできることもあります。まずは、基本的なメンタルケアについて考えていきましょう。

介護職が感じているストレス

介護職は、人を相手した仕事の中でも、ルーティンワークの要素が多い仕事になります。毎日利用者に対して、おむつ交換や排泄・入浴・食事介助といった身体介護や介護記録の作成をメインに、施設介護の場合はレクリエーションのサポートなども行います。しかし、利用者がいつも同じ体調、同じ感情というわけではないので、決められた仕事を効率的にこなすことができず対応にストレスを感じる場合があります。また、利用者の体調が急変するといった場合は、病院への連絡や医者からの指示の実行など普段とは異なる対応を行わざるを得ないときもあります。なにかあってからでは遅いのですが、普段行っている介護とは異なる作業であるために責任が伴ってしまうことに不安を感じてしまいます。そのように普段の仕事の中で常に緊張している状態が続き、大きなストレスを抱える傾向があります。

さらに、介護職員の人材不足から、業務量が多いことや職場での人間関係もストレスの原因となります。現場の介護職員同士でうまく振り分けられれば良いのですが、だれもが余裕のある業務量をこなしているわけでもありません。余裕がないと職場での人間関係にも悪影響を及ぼしてしまいます。特に新人のころには、慣れない仕事で戸惑うことが多くストレスを溜めやすくなります。

介護職のストレスで大きい原因の一つが、責任への重圧です。その日の利用者の状況によっては、食事が進まず食事の時間が遅れてしまうといったようなルーティンで行われている介護がスムーズに進まないこともあります。そのときに自分の責任として注意を受けたり叱咤されたりすると、自分の責任なのか、利用者の状況だったのだから仕方ないのではと思ってしまうこともあります。その状況を意見しても通らないことが多くストレスが増加する要因といえます。

環境改善・個人の能力アップもメンタルケアにつながる

日々のストレスをできるだけ溜めないような仕組みを介護事業者側は考えていくことが大切ですが、どのようなことをすればいいのでしょうか。メンタルケアは個人に依存することが多いので、個別に対応しようと考えてしまいがちですが、事業全体として打てるメンタルケア対策もあります。その一つが環境改善です。職場の人間関係の問題はさまざまなマイナスの要因にもなりますが、逆にプラスに働くこともあります。介護の現場では自分では判断が難しい場面や戸惑ってしまう状況が多いことから、それらを他の職員や先輩の職員に気軽に相談できる環境を提供するだけ、ストレスは低減されます。介護職員が待機する部屋を単なる事務手続きをする場所と考えず、ちょっとした相談や雑談などができる雰囲気づくりにすれば、介護を終わって戻ったときのストレスがそこで減らされます。とはいえ一人一人の性格などで、いくら雰囲気が良くても何も話せない人もいます。職場の環境づくりは個人に任せるのではなく、組織的に取り組むことも大切です。管理職が介護職員に対してメンタルケアを行うラインケアを取り入れることもおすすめです。

実際に行っている介護や突発的に発生したときの課題は、日々情報交換や教育プログラムの実施によって個人の能力を上げることで低減できます。介護に関する知識やスキルの向上は、自分自身に自信を持たせることにつながり心にゆとりを持たせることができるのです。

メンタルケアは介護職の離職予防の基本

介護職を続けていくうちに、知らず知らずのうちに次第にストレスが溜まり、仕事を続けていられなくなるほどのプレッシャーを感じたり、一度現場を離れようと判断し離職するケースは、介護の現場ではよく見られます。一方で介護職員の人材確保が難しいことから、介護事業者は今頑張っている人材をできるだけ手放したくないと考えています。介護職のストレスを低減させるメンタルケアは、介護職員がメンタル的に余裕を持つことへとつながります。仕事を始めたときの気持ちを思い出したり、仕事によって得た達成感をもう一度感じることで、仕事を楽しんで続けていこうと思わせることができます。また、介護の対象者だけでなく、一緒に働く他の職員や医療関係者などとも温厚に対応することができるようになります。介護職の離職理由で最も多い職場の人間関係は、メンタルケアを行うことで、お互いに精神的な余裕が生まれ感情のコントロールがしやすくなります。

メンタルケアは、介護職員の離職を予防することができる大きな対策になります。介護職員ができるだけストレスをため込まないようにする対策によって、介護の質が上がるだけでなく、長期にわたる就業を促すことができます。介護事業を進めていくうえで、人材の確保は死活問題です。メンタルケアは、介護の質をレベルアップさせるだけでなく離職予防に大きく貢献する施策になります。

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