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介護職員の離職の理由・防止のための動きとは?

2017-12-04
介護職員の離職の理由・防止のための動きとは?

日本では少子高齢化が進み、今後ますます高齢者が占める割合が増えていくことが予想されています。そして高齢者の割合が増えることに伴って介護の需要もさらに高まっていくといわれているのです。しかし介護の現場では介護に関わる職員の人手不足が問題となっています。人手不足の原因のひとつとされているのが介護職員の採用率に対する離職率の高さです。そこで介護業界の実態として知っておきたい介護職員の離職が多い理由と離職を防止するために動くべき対策についてご紹介します。

介護職員の離職が多い理由は?

介護の仕事は利用者とじかに接することから人の役に立っているという実感を得やすい魅力を持った仕事です。実際に働きがいがありそうな仕事であることから介護職員に就いたという人は多くいます。しかし介護の仕事に魅力を感じて就業した多くの介護職員たちが、さまざまな理由から離職していっているというのも現状です。

離職の理由として多く挙げられるのが職場の人間関係の問題です。人間関係が悪化する原因は職員個々の相性だけではありません。介護職員の人手不足により現場の空気に過剰な緊張感が生まれ、雰囲気が悪化しやすくなってしまうことも人間関係悪化を促してしまっているのです。さらに介護職は介護職員同士の関係だけではなく利用者への気遣いや看護師との関係の構築も必要とされます。このため常に緊張感を持った気遣いが必要となる人間関係に疲れを感じてしまう職員もいるのです。

また施設や事業所の理念や運営のあり方への不満を離職理由と挙げる人も多く見られます。他に良い仕事や職場が見つかったことをきっかけに離職する職員の中には現職への不満をきっかけに転職を考える人もいるのです。職場の理念や運営への不満は施設責任者の指導や言動が大きく関わっているケースもあります。利用者への気遣いある対応を理念として掲げている事業所が職員に対して心無い対応を重ねていれば、その理念や事業所のあり方に不信感を抱いてしまうこともあるからです。さらに収入の少なさを理由に離職する人も多くいます。実際に他の業界の仕事と比べて介護職員の賃金は低い傾向にあり人手不足による業務の負担に対する給与の低さが介護職離れの一因になっているという現状もあるのです。

パート、正社員の賞与の差を減らす動きも

介護の現場では労働が非正規職員に依存しているのが現状です。施設や事業所で働く介護職員は半数近くが非正規職員となっています。そのため現状でも人手が足りない現場は非正規職員の存在がなければ正常に回らなくなってしまうのです。しかし訪問介護員では非正規職員に比べて正規職員の離職率が高くなっていますが、介護職員の離職率では正規職員より非正規職員の方が高いというデータもあります。このため非正規職員の離職率を防ぐ対策は介護の現場にとって重要な課題となっているのです。非正規職員の離職防止には介護職員の離職理由として多く挙げられている収入面への対策は大切となります。同じ現場で働いていても非正規職員であるパート職は正規雇用を受けている正社員との収入が大きく異なるケースもあり、そこに不満を抱いている離職する人も多いからです。そして収入として大きな影響を与える賞与の待遇差も離職防止の対策を考えるうえで外して考えることはできない課題となっています。法令上の正社員とパート職の違いは1週間の所定労働時間の長さだけです。業務の内容はもとより賃金についての条件の違いはありません。しかし実際には賞与を受けている非正規職員は正規職員に比べて半数近くの割合となっています。さらに実際に受け取る賞与金額も正規職員に比べると圧倒的に低いというデータもあるのです。

このような現状を踏まえて現場で欠かすことができない存在であるパート職員の離職防止対策のためにも賞与の有無や金額について雇用形態による差を減らしていくことが課題といえます。さらに実際の労働状況により判断する施設責任者や事業所の考え方の変化が求められているのです。

待遇と同じくらい人間関係・運営の方針も大事

収入面などの待遇についての対策も大切ですが、離職理由として多い人間関係、事業所や施設の運営方針についての対応策を考慮することも重要となります。介護職員の人間関係を改善させるためには、まず施設の責任者や管理者が現場の状況を把握することが必要です。何か問題が生じたときに個々に注意やアドバイスを行うのではなく問題に対応した管理体制や運営方針を改めて確立することがポイントとなります。たとえば偏った派閥ができやすい職場であれば定期的にユニットや部署の異動を行うことも方法です。またセクションやチームのリーダーとして管理能力が高い人を選ぶことも大切となります。偏った考え方をしたリーダーの元にいることで下に従う職員に不満がでないようにリーダーも定期的に変えるローテーション制度を取り入れるということも対策です。特に閉鎖的な職場において夜間対応など少人数で組むこともある介護の仕事では重要な要素といえます。定期的に人を動かすことが職場内に新鮮な空気を送り込み、不満や険悪な雰囲気を和らげさせることにつながるケースもあるでしょう。介護業界では運営方針として利用者の個性や尊厳を尊重するという内容を掲げるところは多いものです。しかし、そのような考え方とは反するように人手不足から介護職員の尊厳を遵守できていない管理者もいます。介護職員との信頼関係を築くためにも管理者や施設責任者が自ら運営方針や理念を守った行動を見せることは重要であり、それが職員の離職防止にもつながるのです。現場のトラブルを見逃さずに、すべての問題に対してしっかりと向き合い、ひとつひとつの問題を着実に改善させていくことが管理者や施設責任者の大切な仕事となります。

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