ショートステイ事業者になるにはどんな準備が必要?施設基準をクリアするための条件
在宅と施設とを繋ぐ中間事業として、今ショートステイは大きな注目を集めています。家族の介護疲れを緩和するレスパイトケアとして、遠方に旅行する時の信頼できる預け先として、施設に入所する前の準備期間としてなど、ショートステイは幅広い目的を持って利用されています。利用する側のニーズが高い反面、それに対応できるだけの十分な量のサービスが提供されていないのが現状です。他の介護事業と同様に人手不足の問題や、ショートステイ単独での運営の困難さが原因として挙げられるでしょう。ショートステイ事業を円滑に運営していくためには、どのような準備が必要なのでしょうか。
ショートステイの介護サービスの概要
ショートステイは正式名称を短期入所生活介護といい、居宅介護サービスに位置付けられています。サービスの主な目的は、自宅にこもりがちな高齢者の心身機能の維持や回復だけでなく、家族の介護負担の軽減などが挙げられるでしょう。利用する高齢者にとっては安全・安心が確保されているというメリットがあり、家族にとっては安全な場所に介護が必要な人を預け、一時的に介護負担から解放されるという利点があります。その他にも将来的な施設入所を検討している人が、施設での生活に少しずつ慣れてもらうためにショートステイを利用するケースもあります。
具体的なサービス内容は食事・入浴・排泄のケアといった、施設介護の基本的なサービスと同等です。事業所によっては、レクリエーションやリハビリといった、デイサービス・デイケアに近いサービスを提供しているところもあります。1カ月の利用限度日数は30日と定められており、それを超える場合、事業所は減算され、利用者は自費が生じるなど、長期間にわたる利用を制限するための措置も設けられています。この一点からも、ショートステイはあくまで一時的な宿泊施設であり、施設に入所ができない人のための代替サービスではないことがわかるでしょう。
ショートステイサービス提供者になるには?
特別養護老人ホームを開設するためには、運営母体が社会福祉法人であることが求められます。一方でショートステイサービスにはそのような縛りはなく、一般企業でも運営することが可能です。開設のためにはクリアすべき基準が存在しますが、それに関しては次節で紹介することにしましょう。ここでは、ショートステイサービス提供者となるために必要なポイントを、経営の観点から見ていくことにします。
ショートステイの円滑な運営に欠かせないのが、稼働率の向上と人材の確保です。どちらもショートステイ単独での運営では相当な工夫が必要になる項目です。まずは稼働率の面から考えていきます。ショートステイの利益は毎月いかに空床を作らずに運営していくかに左右されます。急なキャンセルの申し出や、定期利用者の逝去などにも対応できるだけの柔軟性が求められます。この条件を実現するもっとも簡単な方法は、同じ法人、あるいは企業内での利用者の紹介です。ショートステイ事業だけでなく、居宅介護支援事業所も同時に運営することで、稼働率は一定程度の安定を見込むことができるでしょう。
もう一点人材の確保に関しては、他事業運営でも同じ悩みに直面するのは間違いありません。このとき事業規模が一定以上あれば、別の事業所から人を異動させることができ、一時的な人員不足にも容易に対応できます。ショートステイは利用者の出入りが激しく、介護技術・知識が高いレベルで求められます。能力の高い職員を常に一定数確保しておくことは、単一事業所では難しいことですが、複数事業所であればその難易度は低下します。複数事業所であれば、他事業所で経験を積ませてからショートステイ事業所に送り込む、といった職員教育の手法をとることも可能です。
ショートステイサービスに関する法令知識
最後にショートステイサービスを提供するための指定基準を確認しておきましょう。ショートステイを運営するためには、人員基準、設備基準、運営基準の3点を満たす必要があります。人員基準に関しては特養の施設基準と大きな違いはありません。生活相談員1名、常勤管理者1名の必置や、看護・介護職員合わせて常勤換算で3:1以上の比率配置することなどが定められています。他にも栄養士や機能訓練指導員などの配置が義務付けられています。
特養と異なるのはベッド数の違いでしょう。ショートステイ単独事業所の場合、原則として20床以上の設置が求められています。ただし特養併設のショートステイの場合、20床未満でも可能です。実際問題として20床以上のショートステイを単独運営するのは現実的ではなく、このあたりの基準を見てもショートステイ事業が併設を前提としているのではないかと考えられます。
ショートステイ事業者になるために必要な準備について確認してきました。ショートステイ事業者は社会福祉法人でなくともなることが可能ですが、多くの事業は特養や老健との併設で実施されており、単独での運営がいかに難しいかをうかがわせます。もし営利企業がショートステイ運営を行う場合、人材の面でも稼働率の面でも他事業所との連携は必要不可欠であり、居宅介護支援事業所や有料老人ホームの有無が、ショートステイ運営の成否を分けることに深くかかわってくることでしょう。
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