介護事業経営支援サイト「けあコンシェル」
けあコンweekly記事

ICTによる効率化が進む時代、それによる介護報酬改定とは

2017/12/11
ICTによる効率化が進む時代、それによる介護報酬改定とは

Information and Communication Technologyの略語であるICTとは情報通信技術のことです。元々はIT(情報技術)という言葉が一般的に使われてきました。しかし海外でICTという言葉の方が多く使われだしたことから日本でもITをICTと言い換えるようになってきたのです。このICTが介護分野でも活用されてきていることが大きな注目を集めています。そこで今回は介護分野でどのようにICTが活用され、そのことが「どのような影響をもたらすと考えられているのか」について詳しく解説しましょう。

介護の現場はICTによってどう効率化されている?

介護現場でのICTの活用事例として大きな注目を集めているのは介護の省力化です。たとえば設置している機器を一括でモニターできるようになることで負担をかなり軽減することができるでしょう。異常値が出た際にアラームが鳴るよう設定しておけば、夜勤の時間帯における巡回のタイミングを減らす可能性も高まります。そのほか、めがね型の電子機器により開発されている物が記録システムです。こういったICTを使用した機器の発達は介護現場の省力化に大きく貢献することになります。またLINEのような無料通信ソフトを使うことで介護士同士のケアの情報共有がより効率的で円滑な対応が期待できます。LINEはメールとは違ってグループのトークルームをつくることが可能です。利用者ごとにケア関係者のグループをつくることで、その利用者の情報をメンバー全員で簡単に共有することができるでしょう。またグループのメンバーそれぞれが書き込んだ内容を参照しながら情報交換をすることも可能です。もちろん、LINEのような一般向けのチャットサービスではセキュリティ面で不安があるかもしれません。介護現場でも使用できるようなセキュリティ度の高いチャットサービスの開発も進んでいます。特に訪問介護の現場などでは、すでに情報共有のための手段のひとつとして導入しているところも多い傾向です。記録と情報共有は介護現場での2大課題です。ICTはこの2つの問題を解決できるのではないかと大きな期待が寄せられています。

因果関係は?ICTによる介護報酬改定とは

2018年度からは3年ぶりに介護報酬制度が改訂されます。2015年度の制度改定では介護報酬の大幅な引き下げが行われ、その結果多くの事業所が倒産するといった悪影響を及ぼしてしまいました。2018年度の介護報酬改定の背景となったのは社会保障費の削減や介護事業所の利益率の高さです。中でも「通所介護」と「訪問介護」は利益率が高いとされているため、介護報酬引き下げの対象となるのではないかといわれています。その一方で2018年の介護報酬改定によって加算される項目もあるといわれています。その項目が「処遇改善」と「介護ロボット」「通所リハビリテーション」の3つです。とりわけ「介護ロボット加算」とは介護ロボットや新しいICT技術を導入している事業所に対して介護報酬や人員・設備基準の見直しを図ります。介護業務の効率化と職員の負担の軽減によって介護職員の定着率を上げようというのが狙いです。実際、経済産業省や厚生労働省では介護ロボットの開発や導入に関してさまざまな支援を行ってきています。ただし審議会では介護ロボットやICT技術そのものが、いまだ検証段階であることから、報酬加算や人員配置基準の緩和は時期尚早なのではないかという意見も見逃せません。また業務の効率化や負担軽減という視点だけでなく、サービスを受ける高齢者からの視点を重視するべきだという声もあります。

ICTの導入に伴い経営方針は変わっていくのか?

2015年の介護報酬改定の際には過去最多の介護事業所の倒産件数を記録しました。2018年の制度改定でも同様に「深刻なダメージを業界に与えてしまうのではないか」という懸念の声が多く上がっています。現実的には多くの介護事業所が介護報酬によって成り立っているため、報酬額が引き下げられてしまうと、なにかしらの影響がでてもおかしくないのです。しわ寄せ分が人件費の削減として介護職員に降りかかってきたり、サービス料の値上げというかたちで利用者に降りかかってきたりすることになります。それに伴い介護職員の定着率が上がるどころか、ますます下がってしまう恐れもあるでしょう。しかし介護ロボットやICTの導入による加算が見込まれれば、介護職員の負担軽減や業務の効率化にはつながるかもしれません。さらに職員の生産性の向上は、高齢者の増加といった将来待ち構えているリスクに備えるための重要なポイントとなります。ただし、現状介護ロボットやICT技術といった次世代型介護技術の多くはまだまだ高価格帯の技術です。そのため、どれだけの事業所が制度改正に伴っての導入に踏み切れるのかといった不安の声も上がっています。実際には介護ロボットやICT技術が一般的に普及されるのは、先のことと言わざるをえません。しかし今回の制度改定による介護報酬や人員配置基準の制度が次世代型介護技術の導入にどれだけつながるのか、大きな注目を集めています。

リコーリースの介護報酬・障がい福祉ファクタリングは、“負債”扱いにならずに“早期”資金調達ができる介護事業、障がい・福祉事業者向けの金融サービスです。最短5営業日で資金化も可能。サービスの詳細は下記バナーをクリックください。

介護報酬・障がい福祉ファクタリングを見る

けあコンシェルでは会員登録いただきますと『実践CaseStudy』や『介護Report』などの介護業界の旬な情報をご覧いただけます。
けあコンシェル会員登録をされた方は、必ず弊社サービスをお受けいただくということではございませんので、お気軽にご登録ください。

新規会員登録をする
他にもこんな記事があります

Q. 2024年度補正予算の「訪問介護等サービス提供体制確保支援事業」の詳しい内容を教えてください政府の2024年度補正予算事業として実施が決まった、訪問介護事業者に対する支援の詳しい内容について教えてく...

政府は13日、「地方創生2.0基本構想」を閣議決定した。政策パッケージとして、▽安心して働き、暮らせる地方の生活環境の創生▽稼ぐ力を高め、付加価値創出型の新しい地方経済の創生-など「政策の5本柱」を策定。「安...

政府は13日、経済財政運営と改革の基本方針「骨太方針2025」を閣議決定した。人口減少などに伴い不要になると推定される病床の削減など、自由民主党・公明党・日本維新の会の3党が合意した社会保障改革を明記した(参...

政府は10日、2025年版「高齢社会白書」を閣議決定した。福祉の現状については、要介護者が増加を続ける中で、23年度に介護職員の数が介護保険制度創設後で初めて前年度割れしたことなどを紹介。 白書によると、...

厚生労働省は11日、貸与の福祉用具のうち居宅内だけでなく居宅外との通信機能を備えた認知症老人徘徊感知機器についても介護保険の給付対象とするなどの取り扱いを示す通知の改正案を「介護保険福祉用具・住宅改修評...

けあコンシェルには、こんなサービスがあります
>>その他サービスを見る

早期資金化!介護報酬ファクタリングサービスで解決!現行の介護保険制度では、国民健康保険団体連合会(国保連)から介護報酬を受け取るまでに約2ヶ月かかり、その間に発生する人件費など資金が必要になります。リコーリースの「介護報酬ファクタリングサービス」を利用すれば、通常より1.5ヶ月も早く資金化することができます。

ご利用者様の預金口座から利用料金を口座振替いたします。弊社の口座振替ネットワークを利用して、電気料金などの公共料金と同じように、ご利用者様の預金口座から利用料を口座振替するシステムです。振替日は4日、20日、27日をご用意しております。

車両リースは、資金の効率的な活用を実現し、メンテナンスなど煩雑な管理業務もアウトソーシングできるため多くの企業に採用されています。一般的に車両リースを大別すると、ファイナンスリースとメンテナンスリースに分類することが出来ます。

商圏分析サービスとは、これからデイサービスの開業をお考えの方、既にデイサービスを開業しており増店をお考えの方へ出店したい地域の情報を提供させていただくサービスです。簡易版では、出店したい地域の商圏内における3種類のレポートを「けあコンシェル」会員様限定で無料にて提供いたします。

利厚生の充実は、優秀な人材確保の切り札です。アウトソーシングサービスを活用することで、豊富で充実したメニューを従業員やそのご家族の皆様へ提供でき、満足度を向上することができます。

感染症や災害への対応力強化へ!BCP 業務改善計画とは?をダウンロード
ヘルスケア・マネジメント.com
ガソリン給油カード、入会金年会費無料

ページトップへ戻る