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介護の現場に外国人が増えている理由を解説

2019/04/22
介護の現場に外国人が増えている理由を解説

高齢化が急速に進む現代日本では、高齢化がどのように社会的影響を与えているのでしょうか。長年人手不足が顕著である介護業界において、介護施設における外国人受け入れが大量に増えています。これは、政府による外国人労働者の大量受け入れ決定によるものです。外国人受け入れが決定している業種は14種に渡りますが、なかでも多いのが建設業、介護分野、外食産業、製造業、清掃業の順になっています。ここでは、なぜ介護分野で外国人労働者が大量に募集されることになったのか、国としての背景や理由について挙げていきます。

理由1:技術実習制度

日本国政府の開発途上国支援の一環として、2017年に施行された技能実習法により、外国人を一定期間招き入れ、技能を習得し母国の発展に貢献してもらうべく始められたのが外国人技能実習制度です。日本が国際社会において先進国としての役割を果たし、世界と協調しつつ調和ある発展を目指していくことを目的としています。そのような先進国日本としての、国際社会での役割を果たすためですが、日本において深刻な人手不足に見舞われている産業を支えるという目的も兼ねる側面があります。

この制度のもとにおいて、外国人技能実習生は実習生受け入れ企業や個人事業主と雇用関係を結びます。出身国では習得が困難とされる技能や知識を習得するのが目的です。この制度で働くのは最長5年間に限り、OJTのもとにつきながら仕事を学んでいきます。介護業界は慢性的な人手不足が深刻であり、政府の各介護施設に対する賃金アップのための加算制度などの特別待遇にも関わらず、職員の増加には至りませんでした。こうした介護士を増やそうとする政策の失敗が、外国人労働者の導入をはじめる経緯になりました。

介護職は対人サービスであり、ある程度の言葉の理解が必要であることから、現場からはN2以上の日本語能力が求められています。そのため、この制度を利用する外国人は日本語能力試験を受けねばなりません。しかしながら語学の壁は厚く、現状の実習生の数は政府が求める数より少ない状況となっています。受け入れに関する一番の課題は、語学力をどの程度で十分とするかといった点にあり、コミュニケーション能力のある実習生を確保することは容易ではありません。

理由2:在留資格

別の理由として挙げられるのが、在留資格であり、いわゆる「介護ビザ」と呼ばれる就労ビザによるものです。2017年9月より正式なビザとして認められました。この新たな在留資格である「介護」を取得するまでには、次のようなプロセスがあります。まず、来日した外国人は、留学ビザにより日本語学校で言葉を学ぶなどします。その後、介護士養成施設に入り2年以上学んだのち、国家資格を取得する流れです。

介護施設での就職が決定すれば、ビザの在留資格を留学から介護に変更する手続きを、入国管理局へ掲出します。ビザが通れば、就労を開始でき、ビザの在留期間は5年です。在留する間は、介護の仕事に従事することが条件になります。通常問題のない限りは、5年ごとに更新することが可能です。ちなみに、ビザの保有者の配偶者やこどもも在留できます。

在留資格「介護」は、留学後に資格が取得しやすいため、職が確実に見つかることで人気が高く、申請をする外国人が急増しています。言語に関する心配も、すでに留学時からクリアにしているため、外国人にとっては就労のための道が開きやすい方法だと言えるでしょう。今後もこの在留資格をとる人は増加していくことが予想されるため、外国人は日本の介護の現場を担う貴重な労働力となっていく見通しです。

理由3:経済連携協定

日本と東南アジア3国において結ぶ経済提携も介護への外国人の参入が増える理由となっています。2008年にインドネシアとの協定を結んだことに始まり、翌2009年にはフィリピン、3年後の2012年にはベトナムが協定国として加わりました、この経済連携協定については、単に日本での介護分野での労働力不足ということではなしに、相手国からの強い要望があったうえでの連携に至っています。

この経済連携協定は、一人でも多くの東南アジアからの研修生が介護士としての国家資格を取得して欲しいとの願いのもとに結ばれているため、日本としても見直しや改善を重ねて力を注いでいます。そのため、国内唯一の受け入れ調整機関である国際厚生事業団が、介護施設との調整機関として、研修生をあっせんしていきます。研修生は、紹介された介護施設で雇用契約を結びつつ、現場で実践を通して学びながら、国家資格の合格を目指します。

介護士の場合は、資格取得のために与えられた時間として、協定で認められている4年の猶予があります。この間に資格取得ができれば、晴れて介護福祉士としての就労が可能になり、ビザの更新についても制限はありません。ちなみに、この研修と就労を兼ねた期間内には、日本人が従事した場合と同等以上の報酬が約束されています。また、社会保険や労働保険が適用されるというとても手厚い対応がなされており、相手国が十分に満足できる内容となっています。

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