
【介護経営】訪問体制強化加算とは?その概要や要件について

平成30年から導入された訪問体制の強化加算は、介護事業者にとって非常に大切な改定です。小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護を行っているのであれば、その内容は確実に理解しておく必要があります。本記事では、訪問体制強化加算の概要、満たすべき要件、介護経営における影響などについて解説をしていきます。
訪問体制強化加算, 介護経営
1.そもそも「訪問体制強化加算」とは?単位数は?
訪問体制の強化加算とは小規模多機能型居宅介護、および看護小規模多機能型居宅介護の訪問体制を整えるために、担当する従業員を一定数配置し、1カ月あたりの訪問回数が規定以上を満たした事業所を評価する制度です。この加算は区分支給限度基準額の算定には含まれません。単位は1カ月1000単位となっています。
訪問体制の強化加算を利用するにあたって、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護の内容はしっかりと把握しておく必要があります。小規模多機能型居宅介護とは介護保険で創設した地元密着型サービスの一種です。ひとつの事業者でデイサービス、ホームヘルプ、ショートステイのすべてを提供できます。看護小規模多機能型居宅介護も小規模多機能型居宅介護と同様に、各種介護サービスが提供できるのが特徴です。さらに、看護小規模多機能型居宅介護は看護にも対応しているため、医療的なケアも行えるようになっています。
2.満たすべき要件
訪問体制強化加算を受けるための要件は大きくわけると、ポイントが2点あります。まず、訪問サービスを常勤で提供する従業員が2名以上いることです。ただし、看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの従業者は除きますので注意してください。もう1点は、登録者に対するサービス提供回数が1カ月で合計200回以上であること。これはすべての登録者が対象になります。看護小規模多機能型居宅介護事業所が同じ建物内に集合住宅を用意しているケースでは、登録者のなかで同一建物居住者以外の人が全体の5割以上いなくてはなりません。
3.新型コロナで訪問回数が減少しても継続算定できる
新型コロナウィルスが流行している状況のため、訪問サービスを利用者側から拒否されることが増えています。事業者がいくら介護を行おうとしても、利用者から同意がなければ、サービスは提供できません。その結果、1カ月の合計訪問回数が200回を切ってしまい、訪問体制強化加算の条件を満たせないパターンは決して少なくないでしょう。しかし、新型コロナウィルスの影響が出る前から訪問体制強化加コロナウィルス事業者であれば、引き続き加算を受けられる仕組みになっています。新たに訪問体制強化加算を算定しようとする事業者には、この特例は認められないことを覚えておいてください。
また、一人の利用者に対し、訪問介護員と看護師が同行すると、2倍の訪問介護費を算定できるのもポイント。単位数を稼げるだけではなく、新型コロナウィルス感染症の拡大を防ぐうえでも有用です。
4.加算の算定率は介護経営に影響
施設が赤字になる原因は、利用者の要介護度が低下傾向にあることだけでなく、人員配置基準を要件とする加算算定率の低さも関係しているといえるでしょう。黒字の施設ほど訪問体制強化加算、および総合マネジメント体制強化加算などの加算算定率が高くなっています。訪問体制強化加算などの加算算定率は単価に大きな影響があるため、介護経営のキーポイントと考えましょう。
小規模多機能は平成27年の介護報酬改定により定員が25名から29名に引き上げられました。以後、25名定員、もしくは29名定員の施設が多くなっていますが、25名定員の施設の方が赤字になりやすい傾向です。25名定員で赤字を出している施設は5割を超えているともいわれており、介護経営は相当に厳しいです。
5.平成27年度の介護報酬改定とは
平成27年度の介護報酬改定によって、「地域包括ケアシステム」を構築するための改定がされました。これは、高齢者が住み慣れた場所で、自分らしい生活を送るためのものです。サービスの質が高い事業者であれば、より注目を浴びやすい状況となっています。基本報酬は要介護度によって異なりますが、5~10%程度のマイナス改定です。事業所と同一の建物に住む者に対するサービス提供は、さらに約10%減となっているので相当に厳しい数字となっています。
その一方、訪問体制強化加算の新設により、訪問サービスを積極的に利用しやすい体制が取られ、実際の訪問回数などが評価された点は見逃せません。また、「看取り連携体制加算」の新設で看取り期の対応を評価されたのもよい改善といえます。基本報酬が下がり、同一建物の減額が大きいこともあって、ある程度の減収は避けられないでしょう。しかし、中・重度の要介護者や医療のフォローが欠かせない人の受け入れを重点的に行えば、収支の改善は十分に期待できます。
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