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今後の成長に期待!介護業界のM&Aにおけるメリット・デメリットとは

2016-07-11
今後の成長に期待!介護業界のM&Aにおけるメリット・デメリットとは

高齢化社会が進む中、介護業界のニーズは年々上昇しています。なかには縮小傾向にある業種も見られる一方で、介護業界の成長は今後も伸びていくと考えられています。そこで近年では介護施設間のM&Aだけではなく異業種からの参入も目覚ましくなっており、M&Aの動きも活発化しているのが現状です。これからの介護業界におけるM&Aの動向と施設の売却・買収におけるメリットとデメリットを挙げていきます。

介護施設のM&Aの動きは加速

社会の高齢化が進む昨今、介護業界のニーズは上昇傾向にあります。他業界の業績では縮小傾向も見られる中で、介護業界は一定の伸びを見せているのです。こうした成長過程において、介護施設間のM&Aにとどまらず、異業種から参入する企業も増えてきました。一方で、介護報酬の改定によって事業で得られる報酬がマイナスに転じるといった影響もあり、従来の介護施設経営者が施設を手放すケースも多くなっています。つまり、M&Aの需要と供給が一致した形となり、その動きが加速しているのです。

介護施設のニーズは高まる一方、介護報酬のマイナス改定によって経営難に陥る施設が多くあり、それらの施設を規模の大きな企業が買収することで施設の経営を立て直すことができます。さらに介護施設は一定数の入居者がいれば安定して利益を上げることが期待でき、新規に施設を開設するよりも既存の施設を引き継ぐことで開業資金や開業期間などを考えなくても済むため、既存の介護施設を買収して業界に参入する企業が増えているのです。

経営不振に陥った売り手側と、自社の事業規模を拡大したい買い手側の利害を一致させるのがM&Aというわけです。また売り手側の事業に関するノウハウと買い手側の潤沢な資金を組み合わせることで、その施設の経営に安定性を持たせることができます。

売り手側のメリットとデメリット

介護施設を売却する側としてM&Aがもたらすメリットには、度重なる介護制度の改定で先行きが不安である、また実際に経営難に陥ってしまったといった経営状況への不安を解消できることが挙げられます。売却先の企業が安定した業績を上げているところであれば、経営に関しても安定が見込め、その施設の存続が実現するわけです。

さらにM&Aの形を取って売却した場合、従業員の雇用も確保することができます。これにより、勤務しているスタッフの不安も同時に解消できることになるのです。地域の介護環境が守られるだけではなく、雇用状況も維持できるというメリットも大きなところでしょう。その他、施設運営のための借入金の個人保証契約、担保などの解消や、経営者の高齢化などで後継者が必要なのに見つからないといった問題解消の面でも売却は有効です。さらに、売却時に発生する創業者利益を得ることも可能になります。

一方デメリットを挙げると、主に施設の現場に関わってくることですが、従業員の労働条件や施設の経営方針が買い手側によって改変される可能性があること、経営者の交代が少なからず混乱を招く場合があることなどが挙げられます。場合によっては新しい経営陣との折り合いがうまくつかず、せっかく雇用が守られていた従業員が自ら退職を選ぶことにもなりかねません。そうして優秀な人材がいなくなることでさらなる現場の混乱が生じることも考えられます。

買い手側のメリット・デメリット

介護業界に参入し、介護施設を買収する側として大きなメリットは、既存の施設をそのまま流用することで土地や建物などにかかる初期投資を大幅に抑えられることです。施設の業態にもよりますが、新規開業の場合は宿泊型の介護施設では規模もそれなりに大きくなるため、ある程度の資金や開業までの期間を計算しなければなりません。しかし既存の施設を買収することでその手間が大幅に省かれるのです。またすでに施設を利用している顧客を確保できるというのも強みでしょう。新たに顧客を呼び込まなくても、従来の顧客にそのまま施設を利用してもらえば良いわけですから、新規開拓の必要がなくなります。さらに従業員に関しても、施設での業務に慣れたスタッフや介護関係の資格を有しているスタッフを流用できるため、人件費や教育期間などを大幅に削減することが可能です。企業全体の運営に関して言えば、事業への参入によって事業基盤が拡大され、すでに業績を上げている施設を取り込むことで安定性も狙えることになります。

デメリットを挙げると、従来の経営方針やノウハウなどについて買収側の方針へのすり合わせが新規開業と比べて難しいこと、またそれによって、介護資格を所有しているスタッフや長く業務に就いているスタッフなど優秀な人材が離れていく可能性があることなどが考えられます。これが現場の混乱につながり、事業を思ったように進められない弊害になることもあります。経営自体に関しても、厳しい介護業界において想定どおりに軌道に乗せられるかどうかといった不安点も無視できません。介護業界はニーズが高いものの、それに見合った制度や環境整備がこれからの課題にもなっていますから、買収当時に想定していた経営状態にまで持って行けない可能性があるというリスクも外せないでしょう。

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