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処遇改善加算の届出のために必要な3つのステップ

2019-02-04
処遇改善加算の届出のために必要な3つのステップ

核家族化と高齢化の進行に伴って介護サービスの需要が増えています。しかし、その一方で、現場で働く介護職員が十分に集まらず人手は不足している状態です。介護サービスを求める高齢者の増加にきちんと対応できる介護サービス環境が整えられていないと、今後ますます介護難民も増えていくでしょう。しかし、どんなに需要があっても、働くスタッフを必要数確保できなければ介護施設の経営は成り立ちません。そもそも、ほかの職業に比べて劣っているとされる給料や待遇などに不満を持っている介護職員が多い中で、人材を集めなければならないことは、各施設などで苦慮している課題の一つです。
そのような現状に対応して、国は介護職の給料を上げるための「介護職員処遇改善加算」制度を作りました。そこで、介護事業所の経営において避けることのできないこの制度を利用するために、知っておきたい届け出に必要な3つのステップについて詳しく解説します。

キャリアアップの仕組みをシステム化する

処遇改善加算の届出をする場合、事業所は一定の要件を満たしていることが必須です。そして、その要件の1つにキャリアパス要件があります。キャリアパスとはキャリアアップの仕組みを作ることで、加算の算定にはキャリアアップの仕組みをシステム化することが必要となります。キャリアパス要件には3種類の要件があり、1つ目が任用要件と賃金体系の整備です。任用要件とは職員に仕事を任せる場合の条件を意味し、職位や職務上の責任、職務内容などに応じた仕事内容としなければいけません。また、任用要件に合った賃金が適切に職員に支払われる制度が整っていることも大切となります。

2つ目のキャリアパス要件は、研修の実施と研修を受講するための支援です。介護職員が資質を向上できるようにするための機会を、介護職員と意見交換したうえで事業主が整備することが求められます。さらに、研修を受講するために勤務シフトを調整したり、受講料などを援助したりすることも要件です。そして、3つ目のキャリアパス要件が給与の昇給システムの構築となります。何年勤続しているか、どのような資格を持っているのかといった明確な条件に基づいて昇給や昇進のルールを決めておくことが必要です。事業者が、あいまいな規定ではなく明確なルールを持ったシステムを整備し、介護職員のキャリアアップの道筋を用意することが、処遇改善加算の算定につながります。そして、システム化した要件を介護職員に周知し、安心して賃金をもらえる労働環境を整えることが介護職員の人材確保へとつながるのです。

職場環境の改善に向けて計画書の作成

キャリアパスの要件とともに、職場環境等についての要件も処遇改善加算の算出に関係します。処遇改善加算には区分があり、3つのキャリアパス要件と職場環境等要件について、すべてを満たしているか、一部を満たしているかで適用できる区分が異なってくるからです。そして、処遇改善加算の算出にあたっては、職場環境の改善に向けて計画書を作成しておかなければなりません。職場環境等の要件は3つあり、最低でもいずれか1つについて取り組みを行うことが求められています。

要件のうちの1つとなっているのが、資質の向上です。研修の受講や支援などがこれにあたります。たとえば、すでに介護の現場で働いていている職員が自らのスキルアップのために、仕事を続けながら介護福祉士の資格を取得したいと望むこともあるでしょう。そのような場合には、希望する者が実務者研修を受講できるように事業者側で支援します。具体的には、研修を受講している間、代替職員を確保することで現場の負担を軽減させるといった方法などです。また、中堅職員の更なるキャリアアップのために、マネジメント研修の受講をサポートするといったことも資質の向上につながる要件の1つとなります。

2つ目が労働環境や処遇の改善です。介護職員にとって安全で働きやすい職場にするための制度や対策を取り入れます。介護業界では離職の多さも課題となっているため、相談できる教育係を付けることで新人職員の早期離職を減らすエルダー・メンター制度の導入も改善につながる取り組みです。また、現場の負担を減らすために介護ロボットやリフトといった介護機器などを導入するなどの対策を取ることも方法となります。さらに、事業所内に保育施設を設けたり、育児休業の制度などを充実させたり、分煙スペースを設置したりするなど、さまざまな職員が働きやすいような職場環境を作ることも届け出の対象となる改善策です。

加えて、これら2つに該当しない取り組みでも、3つ目のそのほかの要件として含まれることがあります。具体的には、非正規職員から正規職員への雇用形態の変更、主婦や中高年の人たちを中途採用するための制度の確立など、人事面での改善も含まれます。また、地域交流を通して職員のモチベーションを向上させることも対象となる取り組みの1つです。

処遇改善の実施状況の見直し

介護職員処遇改善加算は算定を受けることができたらそれで終わりではなく、加算分の返還を請求されないように実施状況の見直しをしておくことも重要です。たとえば、そもそもの制度の目的が介護職員の給与アップであるため、職員にすべて支給されていなければ算定された要件を満たしていないと判断されて全額が返還対象となります。また、介護職員として働いていない看護職員などに支給していても全額返還の対象です。さらに、介護職員処遇改善実績報告書をきちんと提出していない場合にも、不正請求として返還を求められることがあります。

加えて、介護職員処遇改善計画については、すべての介護職員に周知されたうえで実行されているかがキャリアパス要件を満たしているかの判断のカギです。このため、回覧板などを作って介護職員すべてに確認のサインをしてもらうなど記録を残しておくといった対策を取っておくことも重要となります。一度、届出を終わらせたからといって安心せずに、年度が変わっても先を見越して、きちんと体制管理を徹底しておくように心がけましょう。

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