
就労継続支援事業を運営するには?

就労継続支援事業には、福祉事業のなかではビジネス的な要素が多く含まれているという特徴があります。就労継続支援事業ならではの特徴的な規定もあるため、よく理解してから手続きを始めなければなりません。事業の申し込みには、障害者総合支援法に基づく手続きや準備が必要です。手続きを進めるうえで注意すべき点もあるので押さえておくといいでしょう。基本的な基準や要素を押さえ、事業をするエリアの自治体ごとの見解も確認してから手続きを始めることをおすすめします。
就労継続支援事業運営には法人格が必要?
「障害者総合支援法」では、障害福祉事業を行うには法人格が必要と定められています。主な法人格には、株式会社や一般社団法人、社会福祉法人、NPO法人などがあり、社会福祉法人だけは条件なしで指定申請し事業を行うことが可能です。社会福祉法人以外の法人が就労継続支援事業を運営するためには、さらに一定の条件をクリアしなければなりません。それは、障害者総合支援法により規定されている「専ら社会福祉事業を行う者でなければ就労継続支援事業を運営できない」というもの。
これは、「社会福祉事業のみを行う」法人という意味に解釈されています。社会福祉事業以外の事業を行っている法人の場合は、そのままでは指定申請ができないため注意が必要です。社会福祉事業以外を行っている法人が就労継続支援事業の指定申請をするには、「新しく法人を立ち上げる」「定款変更をする」などもいいでしょう。どちらの場合も、障害福祉事業の目的を記入する必要があります。たとえば、既存の法人が介護事業のみを運営している場合は、福祉事業のみを行っているので新しい法人を設立する必要はありません。
しかし、介護事業と飲食店の経営を行っている場合は新規に法人を作る必要があります。1つでも社会福祉以外の事業を行っていれば新しく法人を作らなければなりません。ただし、自治体によっては障害者総合支援法への見解が異なる場合や、NPO法人しか認めないこともあります。法人格の解釈については、指定申請を行う予定の役所へ確認することも必要でしょう。
就労継続支援事業の設備基準とは?
就労継続支援事業には、自立支援法により項目ごとの設備基準が設けられています。まず、訓練や作業を行う部屋は、目的に応じた広さでなければいけません。訓練や作業を行うために十分な広さと、必要に応じた機械や器具が必要です。訓練・相談室は利用者1名に対し2平方メートル以上を確保しなければならないので、10名定員とする事業所の場合は20平方メートルが必要でしょう。ただし、1人につき3.3平方メートル以上を推奨している自治体もあるので、必ず確認しておきたい項目です。
また、相談室と多目的室は十分な高さのある固定式の間仕切りを設けて、プライバシーの保護に配慮することが必要です。作業室を通らずに出入りでき、机1、椅子4を設置することが求められています。広さは1人につき2平方メートル以上とする自治体や、2~3.3平方メートル以上を推奨している自治体もあるので確認することが必要でしょう。相談室と多目的室は、利用者を支援するために支障がなければ兼用できます。トイレや洗面台には、利用者の特性に合った使いやすい仕様であることも求められています。
このほかにも、「出入口などには手すりを設けて利用者が安全に通行できること」「段差をなくしバリアフリーにすること」が必要です。建築基準法や消防法の基準を満たし、避難経路を確保することも求められています。さらに、2階以上の場合はエレベーターの設置や複数の避難経路を設けなければなりません。
就労継続支援事業の運営基準とは?
就労継続支援事業の運営基準とは、事業を開始してサービスを行う際に行うことや留意すべき点について求められる基準です。事業者には、障害者自立支援法に基づいた基準内容が求められます。就労継続支援事業には、利用者と雇用契約を結び就労支援するA型と、雇用しないで就労支援を行うB型があります。この事業に参入する事業者は、それぞれの事業ごとに重要事項の運営基準を規定しておかなければなりません。主な運営基準の内容は以下の通りです。
まず、それぞれの「事業の目的および運営の方針」を定めることが必要です。既存の法人は、社会福祉には関係のない営利目的の定款があれば変更しなければなりません。新規の法人は就労継続支援事業を行うことのみを目的とします。「事業の目的」については、自治体ごとに見解が異なることもあるので、事前に確認しておくと手続きがスムーズに進みます。特に、新しく法人を設立する場合には「事業の目的」の規定について都道府県の担当部署へ相談するといいでしょう。
運営基準では、「職員の職種や人数、職務の内容」についても決めておかなければなりません。また、事業所の営業日と営業時間、利用定員、事業所の型ごとの事業内容についても決定しておきましょう。このほか、利用者から受け取る費用の種類と額、非常時の災害対策など、事業を運営するために欠かせない重要事項について決めておくことが求められています。就労継続支援事業に求められる項目や要件は、障害者自立支援法に基づいたものが基本となっていることには間違いありません。
しかし、自治体によって項目や要件が異なる場合もあるため、あらかじめ役所で確認をしておく必要があります。就労継続支援事業の手続きを始める際には、設備基準や運営基準などをしっかり把握してから指定申請を行いましょう。
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