
介護事業開業、最初の難関は開業資金の確保

開業資金が潤沢にあれば、選択肢も増えゆとりを持った経営を行うことができます。開業資金は多いに越したことがない、というのが、多くの人に共通する認識ではないでしょうか?特に介護事業においては、開業資金の重要性が他事業に比べて大きいといわれています。介護事業を始めるにあたっての注意点を含めて、開業資金確保の重要性について紹介します。
介護報酬は2ヶ月遅れで入金される
介護事業を行うにあたって、開業資金確保の重要性が言われる原因に、報酬が発生するまでに長い時間がかかることが挙げられます。普通の店舗を構えた場合と比べてみましょう。店舗を構えた場合、事前準備にある程度の時間がかかったとしても、いざ開業すればお客様が来店し、商品を購入した時点で報酬が発生します。開業から報酬までの間隔は、ほとんどゼロということができるでしょう。
一方介護事業の場合、事前準備にも3、4ヶ月ほどかかるのに加えて、介護保険収入が、サービス提供月の翌々月となるのが通常です。つまり、開業から最低でも2ヶ月間はほぼ無収入の状態が続くことになります。当然その期間中にも、人件費や光熱費などの経費は発生しますから、それらを払う必要があります。開業当初の数ヶ月間を乗り切るためにも、潤沢な開業資金が必要であることが、これだけでおわかりいただけるのではないでしょうか。
事業が軌道に乗っていなくても基準は満たす必要がある
介護事業を行う際の難しさはそれだけではありません。一般にデイサービスや訪問介護(ホームヘルプサービス)など、介護保険事業を行う際には、人員配置基準や設備基準が定められています。この基準を満たしていなければ、介護保険事業所として認められず、開業することすらままならない事態に陥ってしまいます。
先ほどと同じように、通常の店舗を構えた場合と比べてみましょう。通常の店舗では開業当初はある程度の見込み客数に合わせて、スタッフを雇うことになるでしょう。小さなお店であれば、配偶者と二人で始めるケースも多いと考えられます。お客様の数が増えて、サービスが追いつかない状態になったときに、初めてスタッフの増員を考えることになるでしょう。あるいは、多少忙しくとも一時的なものとみなして、スタッフを増員せずに乗り切るという手も使うことができるかもしれません。
介護事業ではこのような手が通用しません。デイサービスでは、利用定員に応じて必要な人員配置が定められていますから、利用者数に合わせて、スタッフを増減させることはできないのです。最初のうちは、利用者の数よりもスタッフの数の方が多い、ということもままあるでしょう。
運転資金と設備投資、事業によってウェイトは大きく変わる
ここまでで、介護事業を始める際には、開業当初にまとまった金額が必要となること、事業がスムーズに軌道に乗らない場合、かなり苦しい経営となることがおわかりいただけたのではないでしょうか。ですが、初期に必要な金額はこれだけではありません。訪問介護、あるいは通所介護事業を行うにしても、設備投資と人件費は避けて通れないものとなります。
訪問介護では、設備投資よりも人件費が高騰しがちです。訪問介護事業を行うには、ヘルパーステーションを設ける必要がある以外、大きな設備投資は必要。一方で、利用者の数が増えるに従って、ヘルパーの数も増やしていく必要に迫られます。
訪問介護はデイサービスのように定員がない一方で、人件費の比率が非常に高くなる傾向にあります。そのため早期の稼働率の向上が求められるでしょう。
通所介護の場合は、設備投資の資金が大きくなる傾向があります。指定基準を満たして開業しようと思えば、介護保険法の設備基準を満たさなければなりませんから、手に入れた物件に改修工事を施すこともあるでしょう。また送迎のための車両を最低1台は確保しなければなりません。そもそも物件を手にいれる、もしくは賃貸する時点で大きな出費を覚悟する必要があるでしょう。
開業当初の支出を抑えるためのアイディア
では、少しでも開業当初の支出を抑える方法はないのでしょうか?ここでは二つの方法を紹介します。
一つは、人材確保にかかる費用を節約すること。求人情報を載せたり、折り込みチラシやポスティングの広告を出したりすると、それだけで大きな出費となりますよね。介護業界にツテがあれば、そのツテをたどって人材を確保することも可能でしょう。この場合、有資格者や経験豊富な人材が集まりやすいという、大きなメリットも考えられます。
次に、設備投資を節約するアイディアを。デイサービスを開業する場合のネックとなる物件費ですが、なにも駅近や利便性の良いところで探す必要はありません。基本的に送迎を行うのですから、多少不便なところや住宅地であっても、周囲の理解と潜在ニーズさえあれば十分にやっていくことが可能です。古くなった一軒家を買い取って、改修することも検討してみてはいかがでしょうか。
いずれにしても、事前の綿密な調査と予測なしには、開業してすぐに事業を軌道に乗せることはできません。開業を目指すのならば、まずは自分自身の人脈を見直した上で、開業を考えている地域の特性や情報を、学び続ける姿勢が求められそうです。
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