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介護プロフェッショナル制度とは?

2020/03/16
介護プロフェッショナル制度とは?

高齢化社会が進行する中、介護職員の役割はますます大きくなっています。そのため、介護職員が能力に応じ、長期的なキャリアを築けるような労働環境も求められるようになりました。介護職員の能力を証明する新たな基準が「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」、略して「介護プロフェッショナル制度」です。この記事では、介護プロフェッショナル制度について解説します。

1.介護プロフェッショナル制度の成り立ちの背景は?

長年、介護業界は優秀な人材の確保に悩んできました。人材が定着しにくいため十分な人件費を用意しにくく、その結果、ますます介護職員が離職していくという悪循環を生んでいたのです。介護報酬の少なさも施設の経営状況を圧迫していました。また、介護職員もそれぞれの能力や知識にばらつきがあり、彼らを評価する基準が少ないことは雇用側の悩みでした。これらの問題を解消するための手段として、介護職員のスキルと知識を見極めるための新しい評価基準が求められていたのです。

2.介護プロフェッショナル制度の具体的な内容とは

7段階の基準によって介護職員の能力を判定するのが、介護プロフェッショナル制度の仕組みです。基礎的な教育を受けた段階である「エントリーレベル」とされるのがレベル1です。能力が向上するにつれて段位は上がっていき、レベル7になると「トップ・プロフェッショナル」として認められます。キャリア初期の介護職員はまず、レベル1~4の間でスキルアップを目指します。レベル5以上では、経営に携わるための能力を問われることになります。

3.介護職員の技術を明確化する

この制度が創設された大きな目的としては、「介護職員のスキルをはっきりさせる」ことが挙げられます。これまで介護職員の能力が分かりづらかったのは、施設や評価する側の人間によって基準がまちまちだったからです。そのため、ある施設では優秀だったはずの職員が、別の施設では能力的な問題がないのに評価されにくいということがありました。介護プロフェッショナル制度では、介護職員を評価する基準を統一しています。そのため、全国どこの施設でも同じ評価基準で介護職員の実力を評価し、段位をつけることが可能になったのです。

4.評価方法は?

介護プロフェッショナル制度には「アセッサー」と呼ばれる評価者がいます。アセッサーを名乗るにはレベル4以上を取得して、3年以上の実務経験がある介護福祉士になるなど、さまざまな条件を満たすことが必要です。そして、アセッサーは介護職員を「実践的スキル」「知識」の2項目によって評価するルールになっています。なお、アセッサーの評価が正しく行われたかどうかは、第三者機関による外部評価で見極められます。二段構えの評価を設けることで、公平さと正確性が保たれているのです。

5.制度導入のための補助金も

導入にあたっては、補助金などのサポートも行われています。介護プロフェッショナル制度を適切に実施したと認められた場合、その施設には40万円が補助されます。ただし、条件として資本金1000万円以下、あるいは従業員が100人以下の施設であることが必要です。また、施設側が段位取得の申請手数料を負担する際、半額までは補助金の支援を受けることも可能です。

6.介護プロフェッショナル制度によって得られる効果

もっとも大きな効果は、介護職員のキャリアパスを可視化できることでしょう。キャリアアップの道筋が見えない中、忙しい介護の仕事をこなすのは「苦痛」と感じる職員も少なくありませんでした。しかし、自らの能力がレベルで表現され、努力次第で上がっていけばモチベーションを維持しやすくなります。また、施設側も職員の能力をはっきりと認識できるため、適材適所に人材を配置できます。リスクマネジメントにもつながるため、より安全で効率的な業務を実現できるのです。

7.待遇の目安になる

介護施設の運営側が人事評価をしやすくなるのもメリットのひとつでしょう。介護プロフェッショナル制度を導入すれば、明確な基準で職員のスキルを測定できます。施設は中途採用の介護職員について、能力を正確に把握することが可能です。現在の実力に相応しいポジション、給料を用意したうえで採用や人事を決めることができます。施設側と職員のミスマッチも事前に防止できるでしょう。

8.能力向上の目安にしやすい

介護プロフェッショナル制度では、初任者研修を終えた職員をレベル1か2とみなします。養成課程か実務者研修を終え、アセッサーから評価されるとレベル3にステップアップします。このように、何をすれば段位が上がっていくのか、分かりやすい目安を設けているのが介護プロフェッショナル制度の特徴です。段位が上がれば労働条件にも反映されるため、介護職員は効率的にスキルアップへと励めます。介護業界で長期的なビジョンを思い描くときに、介護プロフェッショナル制度はひとつの目安となるでしょう。

介護事業の資金調達ならファクタリングも!

職員のレベルを適切に評価できる介護プロフェッショナル制度は、多くの施設で導入されています。実践していくための補助金も用意されているので、積極的に活用するとよいでしょう。また、ファクタリングによって資金を調達する方法もあります。優秀な人材を確保していくためにも、介護プロフェッショナル制度によって正しく職員を評価して人件費を用意することが重要です。介護ファクタリングサービスを利用すれば、介護報酬を前払いしてもらえるのです。通常よりも介護報酬の入金が1.5カ月程度早めることができます。

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