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高齢化社会に不可欠の地域包括ケア病棟!維持していくための課題とは?

2016-12-05
高齢化社会に不可欠の地域包括ケア病棟!維持していくための課題とは?

医療でも介護でも、施設から在宅への移行が急速に進んでいます。2014年度の診療報酬改定によって導入された地域包括ケア病棟は、その一環として新設された制度となります。まだまだ認知度は低いですが、地域包括ケアを推進している国にとっては、報酬面や導入時の条件緩和などによって、今後より積極的に推し進めていくことになるでしょう。これから介護業界で働くうえでは欠かすことのできない、地域包括ケア病棟についての基本的な知識を身に付けておきましょう。

自分らしく生活するために・・・地域包括ケア病棟の役割とは?

地域包括ケア病棟の役割は、主に2つが想定されています。ひとつは、急性期病棟からの在宅復帰を目的とした転院です。もうひとつは、急変時の受け入れ施設としての役割になります。それぞれの役割を、ひとつずつ見ていくことにしましょう。

まず、急性期病棟からの転院先としての役割です。急性期病棟で治療を終えた患者は、これまで回復期病棟へ移るのが一般的でした。回復期病棟と地域包括ケア病棟の違いは、入院期間の長さと在宅復帰可能性といえるでしょう。回復期病棟が最長180日の入院が可能なのに対し、地域包括ケア病棟は60日となっています。また、地域包括ケアではリハビリ専門職だけでなく、ソーシャルワーカーや精神的なフォローを行うセラピストなどが配置されている点にも特徴があります。これによって、在宅復帰への不安を軽減し、よりスムーズに在宅(もしくは介護施設)へ復帰することが可能です。

地域包括ケア病棟のもうひとつの機能として、急変時の対応が挙げられています。ちょっとした体調の変化によって自宅での生活が送れなくなることは、高齢者ならば決して珍しいことではありません。脱水状態や熱中症など一時的な急変で状態が落ち、病院に運ばれたものの、そのまま自宅に帰れなくなったといったケースは、これまで多々ありました。地域包括ケア病棟がそうした高齢者の受け皿としての役割を果たすようになれば、一時的な避難場所として積極的に活用されることになるかもしれません。働きながら介護を行う家族に、過剰な負担がかかりすぎないようにしつつ在宅復帰をするために、地域包括ケア病棟は今後欠かせない存在となっていくでしょう。

一般病棟から地域包括ケア病棟へ転換するメリット

地域包括ケア病棟についての基本的な知識をみてきました。それでは、経営者にとって一般病棟から地域包括ケア病棟への転換を図ることに、どのようなメリットがあるのでしょうか。将来を見通した場合、地域包括ケア病棟への転換には大きな利点があることがわかります。現在の介護・診療報酬改定の流れは在宅復帰を前提としており、この傾向は今後ますます加速していくことが予測されています。地域包括ケア病棟は、そのなかで重要な役割を果たすことが期待されており、今後の高齢社会を支えていくための医療側のキーとなる病棟になるはずです。

そもそも、国が地域包括ケア病棟への転換を後押ししているのですから、報酬面でのメリットも見込めます。回復期病棟や一般病棟が出来高払いなのに対し、地域包括ケア病棟は包括払いとなっています。検査の回数やリハビリの量とは関係なく、一定額の収入が得られるため、現在一般病棟を経営していて1人当たりの報酬単価が低い病院にとっては、現時点でも報酬面でのメリットが大きいと言えるでしょう。

患者が安心できる病院へ!地域包括ケア病棟を維持していくための課題

ここまで良い面ばかりを挙げてきましたが、2014年度にできたばかりの制度ですから、課題もたくさん存在します。地域包括ケア病棟は、在宅復帰を前提とした病棟です。そのため、病棟内では急性期の医薬品の使用や高度の医療行為を行うことができません。状態が悪化した場合には、再び急性期病院へ転院を余儀なくされることになります。また、地域の施設や患者の家族との連絡調整も大きな課題です。最大60日の入院期間とは、言いかえれば、受け入れ側に十分な用意がない状態でも戻らなければならないことを意味します。入院前の状態に戻らないまま在宅復帰をするためには、在宅医療の強化や地域の介護保険サービスとの連携が欠かせません。連絡調整が上手い病院とそうでない病院とでは、患者とその家族の満足度も大きく変わってくることでしょう。

最悪のケースでは、受け入れ体制がないのに自宅に戻ってしまい、十分な介護保険サービスも受けられず、家族も本人も疲弊してしまうといったことも考えられます。地域包括ケア病棟では、リハビリ専門職や看護職だけでなく、相談援助窓口としてのソーシャルワーカーの実力が如実に反映されることになるはずです。地域包括ケアシステムの一環として構想されている地域包括ケア病棟ですが、現在その制度が発足したばかりで課題も山積しているのが現状です。

しかしながら、病院・施設から在宅へという流れは不可逆的なものであり、これを止めることはできません。介護・医療業界に従事しているものとしては、今後はこれまで以上に患者・利用者の在宅生活を支援できるかを念頭において、働く必要があるのではないでしょうか。

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