
地域包括ケアとは切っても切れない!地域リハビリテーションって何?

ここ数年、介護業界では「地域」と名のつく事業が、数多く展開されてきました。2005年の介護保険法で定められた、地域包括支援センターをはじめとして、地域密着型サービスや地域包括ケア病棟、最近では地域包括ケアシステムの構築がうたわれています。地域リハビリテーションも、その流れのなかで誕生しました。とはいえ、多くの人にとってはあまり馴染みのないものではないでしょうか。地域リハビリテーションとはなにか、これまでのリハビリテーションとの違いを明らかにしながら、学んでいくことにしましょう。
今までのリハビリは体が動くようになればよかった?
案外知られていないことですが、リハビリテーションの目的は時代とともに変化してきています。多くの人がイメージするのは、病気や事故の後のリハビリでしょう。病気や事故によって障害を負った体の部位に対して、急性期から回復期にまたがる期間にリハビリを行うことによって、障害の改善を行うことがその目的とされていました。現在でも、リハビリの主たる目的が機能回復にあることは間違いありません。しかしながら、近年においてリハビリテーションは、それ以上の役割を担うようになってきました。最近では、危機を脱してすぐの段階からリハビリを始めることが増えています。
このような早期からのリハビリは、機能回復だけを目的としているのではありません。機能がどの程度まで回復すれば在宅での生活に戻ることができるのか、また社会参加を継続できるのかといった、より長期的な目標を見据えたうえで決定されているものです。背景には、国際生活機能分類(ICF)の考え方があります。ひとりの人間を障害という一面からだけ見るのではなく、活動や参加といった方面からも見ることで、より包括的に捉えようという考えです。このような考えを元にして、リハビリテーションはただ体が動くようになることを目的としたものから、社会参加や在宅生活を見据えたものへと変化していったのです。
地元地域を巻き込んで!地域リハビリテーションとは?
地域リハビリテーションの考えは、この延長線上にあるということができるでしょう。地域リハビリテーションは、障害のある方たちや高齢者、それらの家族が、住み慣れた地域の人たちや環境のなかで、生き生きとした生活が一生安全に送れることを目的としています。そのために、医療や保険、福祉といった人や組織が、リハビリテーションの立場から協力して行う活動すべてを指す、と定義づけされています。この定義を読んだだけで、これまでのリハビリテーションの概念とはかなり違うことがお分かりいただけるのではないでしょうか。では、具体的にどのような活動を地域リハビリテーションと呼んでいるのでしょう。活動は大きく直接援助、組織化、教育啓発活動の3種類に分けることができます。
直接援助とは、これまでの機能回復リハビリはもちろんのこと、障害の発生予防に関する活動も指しています。高齢者が障害を持つリスクファクターの代表的なものとして、脳梗塞や脳出血などが挙げられますが、それらを予防するための食事指導や運動療法も地域リハビリテーションと呼ぶことができるでしょう。
次に組織化ですが、これはサービスを円滑に提供するためのシステムを作り上げることや、そこに地域住民も参画するための組織作りが挙げられます。これに関しては、その地域の地域包括支援センターや自治体が主となって活動することになります。
最後に教育啓発活動ですが、地域住民を対象にリハビリや予防に関する意識を高めてもらうだけでなく、医療や介護の専門職に対しての教育も含まれます。
機能改善だけじゃない!これからのリハビリはその人らしさを保つため
地域リハビリテーションといっても、その活動は非常に広い範囲に渡ります。実際に障害のある人に対して、地域社会での生活に復帰できるよう具体的なリハビリを行うことも、障害を発生させないために予防に関する知識を伝えていくことも、どちらも地域リハビリテーションに含まれます。概念に広がりがあることは、その地域で行われている活動全体を包括的に捉えることができる一方で、どんな活動をすれば地域に貢献できるのかわからないといった戸惑いも生み出すでしょう。
現在、介護や医療現場でリハビリを主に担っている理学療法士や作業療法士の方々にとっては、今以上の活動を求められているのかと不安になることもあるかもしれません。地域リハビリテーションだけでなく、地域包括ケアシステムにも同じことが言えますが、これらのシステムや概念は、あくまでこれまでやってきた取り組みを拡大した先にあるものであり、決して理想や概念だけが先行してはならないものです。これからが必要とされるのは、今現在各自や各事業所、あるいは地域の住民が単独で行っている取り組み同士を繋ぎ合わせることのできる存在です。点と点とを結び合わせて線にして、さらにその線同士をつなぎ合わせて地域という面を作り出す、そんな役割を果たすことのできるコーディネーターの登場が待たれています。
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