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知らないと損をする!?特定施設入居者生活介護とは?

2017-08-21
知らないと損をする!?特定施設入居者生活介護とは?

地方自治体や社会福祉法法人が運営している老人ホームのほかに、民間業者が主体となって運営している老人ホームがあります。その中には、「特定施設」と呼ばれる特定施設入居者介護の指定を受けている老人ホームがあるというのをご存知でしょうか。「介護付き有料老人ホーム」もその一つです。特定施設入居者生活介護の指定を受けることで、高齢者に安定した介護サービスを提供できるようになります。介護事業を考える上で見逃せない制度です。

特定施設入居者生活介護って何?

特定施設入居者生活介護とは、厚生労働省が定めた基準により都道府県が指定する介護施設のことです。介護サービスを行っている施設にはいくつかの種類があります。地方自治体または社会福祉法人が運営する老人ホームは主に「養護老人ホーム」や「特別養護老人ホーム」「軽費老人ホーム」などです。一方、民間業者が運営する特定施設入居者生活介護指定の施設として、「介護付き有料老人ホーム」などがあります。

特定施設入居者生活介護の指定を受けることで「介護付き」または「ケア付き」の老人ホームとして経営することが可能になるのです。事業者は入所者に必要に応じて食事や入浴、排せつの介助、リハビリなどを行うことができます。

この制度の指定を受けるには、さまざまな基準をクリアしなければなりません。人員基準については要介護者3人に対して介護職員または看護職員が1人以上必要です。他にも生活相談員、ケアマネージャー、機能訓練指導員などの人員も確保する必要があります。入所者の居住スペースや設備にも基準が設けられています。例えば、「介護付き有料老人ホーム」の場合は基本的に個室完備で13平方メートルの広さが必要です。機能訓練室や入浴設備、食堂なども備えていなければなりません。運営においても介護サービスの方針を明確にする必要があります。職員の勤務体制や研修制度、地域との連携についても細かく定めることが求められるのです。このように特定施設入居者生活介護の指定を受けるには、厳しい基準を満たす必要があります。

指定されることによるメリット・デメリットとは?

介護事業者にとっては、特定施設入居者生活介護の指定を受けることで多くのメリットがあります。しかし、時間と手間がかかることも事実です。ここでは、特定施設入居者生活介護の指定を受けるメリットやデメリットについて説明します。

メリットとしては、2000年に導入された介護保険制度により、特定施設入居者生活介護の指定を受けた老人ホームは要介護者の介護度によって一定の報酬が得られるということです。これにより、経営の安定化を図ることができます。また、「介護付き」または「ケア付き」の老人ホームとして入所者を募ることが可能です。指定を受けていない事業者がこのような記載をすることはできません。特定施設入居者生活介護の指定を受けることで、家族や利用者の信頼を得ることにもつながります。特に介護事業の拡大や、地域貢献型の老人ホーム経営を目指す事業者にとっては、メリットが大きいといえるでしょう。

一方、デメリットとしては指定を受けることにより運営上の規定が厳しくなることが挙げられます。特定施設入居者生活介護の運営基準に従い、人員や設備、サービスを維持していかなければなりません。運営には介護に関することだけでなく、土地や建築、法律などさまざまな知識を持った人材が必要です。また、特定施設入居者生活介護の指定を受けていないサービス付き高齢者向け住宅とは異なり、高齢者が終身利用できることが期待されます。そのため、収益性だけでなく社会貢献という視点から経営をしていく必要があるのです。

今後のニーズについて

高齢化が進む中、「介護付き老人ホーム」の需要が高まっていることは確かです。厚生労働省の2014年以降の調査結果から、地方自治体や社会福祉法人が運営する「養護老人ホーム」や「特別養護老人ホーム」の稼働率は平均90%を超え、他の受け入れ先として「介護付き老人ホーム」が注目されています。そのため、大企業を含む多くの事業者が開業を目指しているのです。

利用する側にとっても大きなメリットがあります。そのひとつは、「介護付き老人ホーム」にはさまざまなタイプがあるため、高齢者自身が自分のニーズに合わせて施設を選べるということです。高齢者の中にも介護度が高い方もいれば、比較的自由に動ける方もいます。また、共同生活を好む方もいれば、自由に暮らしたい方もいるでしょう。実際、有料老人ホームに入所している方の中には、現在は介護の必要がなくても今後のことを考えて入所する方もいます。特に富裕層を中心に、食事や介護サービスが受けられる有料老人ホームが人気です。また、「養護老人ホーム」や「特別養護老人ホーム」に空きがでるまで一時的に入所するケースも考えられます。そのような多種多様な高齢者のニーズに合わせられるのが、「介護付き老人ホーム」のメリットです。

高齢者が自分の生活を守りながら、安全で安心な暮らしができる特定施設入居者生活介護指定の有料老人ホームは今後もニーズが増えると予想されます。介護事業を目指す方は、この制度の指定も考慮に入れた上で、将来的にどのような老人ホームに需要があるのか見極めることが重要です。

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