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評価方法一新!?介護報酬改定で単価が変わる

2018/04/30
評価方法一新!?介護報酬改定で単価が変わる

刻々と変化する介護業界の実態に合わせて、介護報酬も3年ごとに改定が行われます。2018年の改定でも、評価方法が大きく見直されることになりました。2018年の介護報酬改定は「自立支援」と「重度化防止」の2つがメインテーマです。この2つのテーマに沿って「基本報酬」と「加算」が評価されます。ここでは2018年の介護報酬改定のポイントを紹介していきます。これらのポイントを知ることで、ニーズに合った介護サービスの提供を目指しましょう。

介護報酬における過去の問題点

介護報酬は「基本報酬」と「加算」の2点から評価されます。基本報酬とは、「訪問型介護」「施設型介護」といった事業所の形態によって決められている基本的な単位です。基本報酬については、事業所ごとに不公平感のある単位設定となっていた点が問題視されていました。特に大規模型の介護施設は、「利用者1人あたりのコストが低い」「利益率が他の形態よりも高い」など指摘が相次いだため、基本報酬の引き下げが実施されることになりました。基本報酬の引き下げは、介護事業者にとって影響の大きな事柄です。実際、大幅な引き下げが実施された2015年の介護報酬改定後は、倒産する介護事業所が急激に増加しました。これまで健全な経営ができていた大規模型の介護施設も、介護報酬引き下げによって方針を見直す必要が出てくるでしょう。

加算とは、提供するサービスに応じて上乗せできる単位です。加算項目を意識したサービスを提供することにより、事業所に支給される介護報酬費用を増やすことが可能となります。これまでの加算は、介助や生活支援を中心に実施されていました。しかし、買い物補助や掃除の手伝いなど、その対象が多岐に渡っていることが問題となっていました。そこで今回の改定では、生活機能向上連携加算が創設されました。医療機関と連携したリハビリテーションの強化が加算項目として新設されたことにより、要件を満たす介護事業者は月に200単位が加算されることになります。

介護報酬改定!介護度の維持にインセンティブを

2018年の介護報酬改定では、介護度の維持にインセンティブをあたえる内容となっています。介護は、その介助レベルによって5段階に分類されます。もっとも軽い介助レベルは、介護1です。要支援の状態から日常生活動作能力が低下し、排せつや入浴などに補助が必要になると、要介護と認定されます。そして介護5になると、意思の伝達も困難となり、介護者なしでは日常生活を送ることが不可能な状態となります。つまり介護度が高くなるほど、より手厚いサポートが必要となってくるのです。政府にとっては、健康な高齢者を増やし、介護費用を抑えることが課題として挙がっていました。そこで注目されたのが、介護度の維持です。

介護度を維持するためには、日々の取り組みが重要なポイントとなってきます。それを明確に示したのが、今回の改定の生活機能向上連携加算の創設です。リハビリテーションを通して、重度化を抑えることを目的としています。リハビリは理学療法士や医師などと連携し、個別機能訓練計画に沿って実施されます。介護事業所の職員と共同でリハビリを実施し要件を満たすことで、単位が加算されます。そうすることにより、介護報酬単価を上げることが可能となるのです。

アウトカム評価導入でサービスの単価向上!

介護報酬改定の大きなポイントとなっているのが、「サービス提供区分の見直し」と「アウトカム評価の導入」です。サービス提供時間区分の見直しは、事業所の経営方針に大きな影響を与えることになります。これまでの時間区分は、「3時間以上5時間未満」「5時間以上7時間未満」といった2時間ごとに設定されていました。しかし利益と効率を追求する事業者が多く、「3時間以上5時間未満」の区分では、3時間半のサービスを提供している場合が大半を占めていました。そこで2018年の改定では、「5時間以上6時間未満」「6時間以上7時間未満」といった1時間ごとの時間区分に見直されます。

アウトカム評価の導入は、心身機能の維持・改善を対象としています。評価期間の中で、利用者のADLの維持または改善の度合いが一定の水準を超えた事業者は、その後の一定期間において高い対価を得られるようになります。つまり継続して利用者の日常生活動作をサポートしていくことで、高いサービス単価を得ることが可能となるのです。またアウトカム評価の指標には、「Barthel Index(バーセルインデックス)」が用いられます。これは排せつ、入浴など10項目を100点満点で評価するADLの指標です。

アウトカム評価では、データの信頼性を高めるために利用者の人数が一定数に達している事業所のみを対象としています。また利益を追求するあまり、要支援の利用者を重点的に獲得することのないよう、要介護3以上の利用者が一定割合を超えていることも要件に加えられています。利用者の立場になって、新しい介護報酬の要件を満たすサービスや環境を整えることが、介護事業者に求められているといえるでしょう。

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